シド・ミューラァ

(声/古田信幸)

[個人データ] 氏名: シド・ミューラァ(Sido Muller) 性別・血液型: 男・A型? 生年月日: 2035年生まれ? 23歳? 生誕地: 新ククトコロニー 趣味・特技: 口笛 家族: 父(ククトニアン)、母(地球人)共に死亡 サライダ博士が養育者となるが、後に家出 [通常の紹介] ククト第三軍第3ククト星師団特殊部隊第2特務別動隊指揮官、少佐。父がククトニアン、母が地球人という混血児ゆえに、反地球感情が高まっていたククト社会では激しい差別を受けた。それゆえ、軍の世界に飛び込み実力で成功をつかもうと努力した。 孤独で他人に頼ることを嫌う性格。自分のよりどころであった軍が、実は自分を正しく評価していないことに気づき、それまでの生き方を悔いる。作品中ではARVデュラッヘを操縦、ロディの最大のライバルとなった。

[主なエピソード] タウト星で初登場。ロディと遭遇。ククト星へ脱出。(29) デュラッヘに搭乗してロディと初戦。(31) 初めて出自が明らかになる。(33) ジェイナスに突入。ボギーと対話。(34) 収容所襲撃の知らせを聞いて出撃。(37-8) 子供たちを奇襲。しかしガンテツの部隊に邪魔されたため、ジェダたちに捕らえれてしまう。バイファムのパイロットを見て愕然とする。(39) ロディと対面。サライダと対面。出自の話に反発する。捕虜として尋問を受ける。(40) カチュアを人質に脱走。ロディと対決。(41) ククト軍に帰還するも、任務を解かれる。(42) スコットと対面、荷物を探してやる。(43) 宇宙船にもぐり込み、出撃を志願。ロディと最後の対決をするが、そのさなかに友軍の砲撃を受け、自分が裏切られたことを知り、友軍に突撃。そのまま行方不明となる。(44)

[勝手な紹介] ミューラァはその出自ゆえに幼い頃から差別を受け、辛い思いをしてきたのでしょう(まるでどこかの国と同じです)。彼はその差別から逃れ、自分をさげすんできた人たちを見返すために、軍に入って実力を発揮して、ククトニアンとして認められようとしました。その甲斐あって彼は若干23歳で少佐にまで昇進します(最初の設定では彼は30歳以上の人物として描かれるはずでしたが、いつの間にか若くなってしまい、キャラ設定の芦田豊雄氏が嘆く結果になりました)。 しかし、その後ミューラァに与えられた運命は皮肉でした。彼は地球の1機のRVにてこずるうちにゲリラたちに捕らえられます。そこで彼は自分のライバルがロディという少年だったことを知り、自分の育ての親であるサライダと再会し、そして自分と同じ境遇でありながら前向きに生きるカチュアに出逢います。この一連のエピソードは、ククトニアンとして認められようとするミューラァにとってはさぞかし過酷なものであったでしょう。そして、ようやく任務を達成して基地に戻ってきた彼を待っていたのは、彼がもっとも忌み嫌う「地球人の血」という壁でした。それでも彼はなんとかその束縛から乗り越えようと、軍紀違反まで犯してロディとの対決に臨むのですが、それも結局軍が彼を見限っていたことを悟る結果に終わります。ここに至って彼はようやく自らの過ちに気づくのですが、その遅すぎた目覚めは彼にとって幸せだったのでしょうか。 おそらく、それでも幸せだったのでしょう。確かに彼は懸命に自分の人生を生き抜いたのです。彼自身がそのことを一番よく知っていたからこそ、最後の瞬間口笛を吹いていたのだ、と私は考えることにしています。 バイファムの登場人物の中で唯一ライトモチーフ(登場するときのテーマ)を持っていたのがミューラァでした。しかも、トロンボーンのリズム、チェンバロ風の音によるアルペジオと2種類も持っていたんですね。ちなみにOVAでは彼は存命しており、ケイトの保護者的な役割を果たすことになります。