遺跡と謎の石板(リフレイドストーン)

[遺跡] 作品第1話冒頭に登場した。クレアド星に入植した地球人が発見した。 先住民族/アストロゲーター(=ククトニアン)によって建造されたと思われる。物語中では宇宙考古学者のクレークと、その助手のケイトによって詳しく調査がされようとしていたが、その矢先にアストロゲーターの攻撃を受け、調査は頓挫してしまった。 後に、カチュアの荷物の中から遺跡の写真が見つかり、カチュアの出生の謎を解く手がかりの一つのなった。なお、遺跡の中央部には、必ず右記の石板が立てられていた。ククト星にも同様の物が見つかっている。

[石板] 遺跡の中央に立てられていた物体。黒い石室の物質で作られた巨大な直方体だが、中央部を斜めに切りとられているなど、形状に特徴がある。 物語中では、戦争勃発時にクレークとケイトによってジェイナスに運び込まれた。その後のケイトの調査で、石板には植物の成育を促進する作用があることが分かる。さらに、石板から出る不思議な力線(エクストラ力線)が、ジェイナスの子供たちを危機から救い、一種の守り神としての役割を果たした。 後に子供たちとリベラリストとの接触によって、遺跡の本当の役割が明らかになった。最後には、友好の証として地球軍に引き渡されることになった。

[ほうがんのこだわり] 結果的にこの作品のSF的要素の最右翼となった、遺跡とそこにそびえる石板は、第1話プロローグから私たちに圧倒的な印象を与えてくれました。この場面は他のコーナーでも言及しているとおり、明らかに「2001年宇宙の旅」を意識して演出されていました。その映像は、この作品があくまでもハードな世界を目指しているのだと、高らかに宣言していたのです。 それが一体何の目的でそこに作られたものかは、実は最後まで明確に語られぬまま作品は終わってしまいます。そもそも石板は、ククト軍が地球軍の練習艦1隻を執拗に追い続ける理由づけとして設定されたという生い立ちがあり、厳しい見方をすれば行き当たりばったりの産物に過ぎません。でも、それだけではない何かが、石板には宿っているように思えてなりません。 自らの手で死に追いやってしまった星を、再び命を育む星とするために造られたもの。万一に備えて、ククト軍のコンピューターに重大な障害をもたらすように組み込まれた機能。それを作動させねばならなかったこと。そして最後に、平和の使者としてジェイナスの子供たちに託したこと。石板=リフレイド・ストーンの開発者であるサライダは、こうした一連の事実をどう受け止めていたのでしょうか。彼自身の口から、そうした感想めいた言葉はほとんど発せられることはありませんでしたが、物語の進行上やむを得なかったとはいえ、ちょっと残念に思っています。 それから、遺跡と石板を巡るキャラクター…カチュア、ケイト、ジミー、そしてミューラァとサライダなどの動きが、物語の大きなアクセントとなっていたことも見逃せません。それ自体は決して話すことはないのです(当然です)が、この点において、遺跡と石板はれっきとしたキャラクターの役割を果たしていました。