とにかく前作の放映終了からもう13年も経っています。私も来年は30歳! 時の流れがバイファムの世界でも同じならば、スコットは今や28歳、マルロやルチーナですら17歳です。子供の世界では、10年どころか3年違えば世代が違うというのは常識。前作の世界そのままを現在放映したところで、今の子供たちに好意的に受け入れられるかどうか、微妙なところだと思います。
しかし新作のスタッフは、バイファムの世界の時の流れを止めて、あの時と同じ子供たちを再び世に出そうとしています。ひょっとしたら二番煎じになるかもしれない不安の中、あえてその世界に戻ろうとするスタッフの意気込みを、私は信じたい。
もちろん、設定をはじめ演出などは今の世にあったものに少しずつ(ひょっとしたら大胆に)変わっていると思います。その結果、前作とは異なる展開になって、それを巡って、私自身これは自分の望んでいた新作じゃないと憤ることもあるかも知れません。
でも、それはそれでいいのかな、とも考えるのです。今や大人になった自分自身にとってバイファムがすばらしい作品であったのは事実だけど、それを生で感じることがもう二度とないことは、あの名曲「君はス・テ・キ」にも歌われたとおりです(余談ですが、あの曲のカラオケが出たら私は歌いまくるんだろうなぁ、きっと)。
だから、たとえ私の思いとはどんなにずれていても、新しいバイファムが今の子供たちに等しく愛されるような作品になってくれれば、と強く望みます。この作品は私のためだけにあるのではなく、何よりも常に子供たちの物なのですから。
ただ、願わくは前作にあった子供たちのひたむきさ、純真さ、そしてお互いを大切にする心だけは、どうか失わずにいてほしい。それこそがバイファムの原点だったのですから。そして、今の子供たちもそうしたものを素直に受け入れ、喜んでくれる存在であってほしい。…いい歳こいてアニメを見続けている一人の男の、今の子供たちへのたった一つの希望です。 | 
