放送時間との闘い

前作バイファムは最初確か金曜日の午後7時という破格のゴールデンアワーに放映されたと思います(私は当時大阪住まいでした)。当時、裏番組に某不二子不二雄アニメがあったせいもあり、バイファムの視聴率が振るわなかったことは、今さら説明の必要もないでしょう。そんな状況の中で、当然のごとく打ち切り説が流れたのですが、想像を超える打ち切り反対の投書がテレビ局を襲い、結局スコットのエロ本話も無事に放映され、子供たちの旅路は無事続くことになりました。
代償として後半の放映時間は金曜日の午後5時に変更されましたが、私を含め、クラブ活動に励んでいた子供たちにとって、この時間にテレビの前に座ることはほぼ不可能でした。当時ビデオデッキはそれほど普及しておらず、私もクラブが終わると懸命に家まで走ったのですが、放送に間に合うことはまれで、せめてストーリーだけでも知ろうとアニメ誌に手を出す羽目になりました。
今回の新作の放映時間は、土曜の深夜だそうです。最近はどこの家でもビデオデッキはありますから、まぁいいかと思っていましたが、あまり歓迎できない面もあることに気づきました。
いくら最近の子供たちが夜更かしをするとはいえ、こんな時間のテレビ番組までチェックを入れているんですかね。…おそらく、入れているんでしょう。でも、どう考えてもそれは不自然だと思います。そんな不自然な時間帯に子供たちを対象にしたアニメーションを放映するのは、うーん…。
もちろん、私たちの世代の懐古趣味のためだけに新作が作られるなら、この時間の放映でも何の不都合も問題もありません。でも、私はそんな新作なんかには期待しませんし、なってほしくもありません。新しいバイファムは、当時子供だった私がそうだったように、今の子供たちが楽しめる作品であってほしい。そのためには子供たちが(録画なんかではなく)普通の時間にリアルタイムで見ることができるようにしてやってほしい。そんなふうに思っています。
スポンサーの問題や放映料金の話など、様々な制約の元でこの時間に落ち着いたであろう事は容易に想像できます。それでも、それにしても、一抹の寂しさと失望を隠すことは、私にはできません。せめて、もし再放送されるときは、もう少し見やすい時間にしてあげてほしいと思います。