Primary Choice
「雪鏡」
(01年12/1月放送)

最近では珍しいスローテンポのショートバージョン作品。無駄をいっさい省いた歌詞の響きの美しさは、冬の凛とした空気を巧みに写し取っており、そのあふれる詩情感だけでも「みんなのうた」ファンタジーとして第一級の出来映え。響きを極限まで抑えることでむしろ淡い色彩感が際立つ伴奏や、透明さと存在感を両立させた歌唱も見事だが、幻想的な冬の景色を独特の手法で映像化した劇団影ぼうしの影絵が、作品に花を添えている。番組の基本である、適度なファンタジー・確かな演奏・映像との融合を、奇を衒わずにきちんと行っている点を評価したい。

Secondary Choice
「ひよこぶたのテーマPART2。」
(01年8/9月放送)

沖縄出身の女性アーティストCoccoが、突然の引退の前に「みんなのうた」に残してくれていた素敵なプレゼント。彼女の魅力がいっぱいに詰まった歌に、彼女のかわいいキャラクターが画面で動いてくれる。もうそれだけで十分じゃないですか。候補が多く悩むところだが、あえてこの作品を推薦。

--Musical Piece--

• 雪鏡
• ハピハピ　バースディ

「雪鏡」は文句なしだが、その次はどれを選ぶか悩ましい。「童神」もすばらしいが、ここではポップス系としては出色の出来となり、なにより視線の優しさが光る「ハピハピ…」を推したい。

--Performance--

• よこはま詩集
• 雪鏡

「よこはま詩集」はダ・カーポのあたたかい歌声から横浜への深い愛情が伝わってきて、和む。弦楽器中心の伴奏も聴きごたえあり。「雪鏡」は特に伴奏の確かさを評価。

--Picuture--

• 涙のチカラ
• 雪鏡

「涙のチカラ」はいかにも南家こうじらしい活力溢れる映像が歌の内容とマッチしており、楽しめる。「雪鏡」は冬の日の幻想を詩情豊かに映像化して見事。影絵という手法の勝利。

--Current Topic--

• アキストゼネコ
• ひよこぶたのテーマPART2。

パラパラがこの番組で放送されるというだけで、もう大ニュース。歌詞テロップで遊んだのも「アキストゼネコ」がはじめて。「ひよこぶた」はCocco引退後の登場がファンに衝撃と感動を…

--Rebroadcast on TV--

• タチツテト手を
• トレロ カモミロ

「タチツテト手を」は登場直後の再放送だが、この名曲がすぐに取り上げられたのが嬉しい。嬉しいといえば往年の名曲が久々にTV放送されたのを見て喜んだのは私だけではないはず。
再放送は延べ22曲でした。

--2001 short Review--

01年度は圧倒的な名曲はなかったものの、各ジャンルで楽しませてくれる佳作が多かったように思います。また、大勢のイロモノ歌い手さんの登場が、番組を様々な意味で盛り上げてもらいました。再放送は懐かしい曲の登場が目立ち、年長ファンには嬉しかったかも。
新曲は20曲でした。