Primary Choice
「笑顔」
(03年4/5月放送)

いつも「あなた」の笑顔が私を支えてくれたから、私はこの道をずっと歩いていくことができると歌われる、大切な人へのオマージュ。聞く人の様々な思いと経験で「あなた」の立場が多様に変化する懐の広さが、この曲を特徴づける。岩崎宏美の深く美しい歌唱と、今という瞬間を独特の視点で描く新海誠のアニメの競演も魅力。各分野毎に見ると他にいい曲もありそうだが、放送全体におけるバランスのよさを重視して、Primary Choiceに推すもの。

Secondary Choice
「象だゾウ」
(04年2/3月放送)

「ゾウ」という響きで韻を踏んで作られた、子供向け言葉遊びの歌。随所の子供たちが通学時にみんなで「象だゾウ!」と歌っていただけで価値あり。あのささきいさおが起用に応えて見事な歌いっぷりを披露してくれたのも評価したい。わだとしかつのフルCGアニメも、テクスチュアを活かした温かみと適度のお遊びが楽しめた。

--Musical Piece--

• 旅立ちのうた
• 笑顔

単に卒業という行事を超えて、人生の歩みを高らかに歌い上げた「旅立ちのうた」は見事。曲の構成の見事さも特筆に値するもの。「笑顔」は多様な深い思いを普遍化して、短い曲に描き込んだ点を評価。

--Performance--

• ハワイアンロックンロール
• 象だゾウ

伊東ゆかりとハワイアンという取り合わせが今回の全て。その期待以上の歌声には、聞きほれるしかない。単純なだけに聞かせにくい「象だゾウ」であそこまで魅せてくれたささきいさおにも拍手。

--Picuture--

• 笑顔
• ハワイアンロックンロール

冒頭のハムスター、都会の息吹、楽しいカーテンコール…新海テイストを存分に楽しめる「笑顔」はおススメの逸品。「ハワイアン…」では従来技法でもここまでできる! という意気込みが伝わってくる。

--Current Topic--

• りんごのうた
• テレビが来た日

あのしいなりんごが自ら希望して登場した作品が、まさか彼女のソロ活動最後の曲となるとは…。懐かしいピンク・レディーが歌謡曲を歌うというミスマッチも楽しかった。ツアーライブでノリノリだったとか。

--Rebroadcast on TV--

• 「なつかしのみんなのうた」
• キャンディの夢

TV放送50周年を記念した「なつかし」枠10曲は、番組初期の魅力を再確認させてくれた。尾崎亜美の熱唱が印象的な「キャンディの夢」は、番組屈指のラブソングの一つ。
TV再放送はのべ32曲でした。

--2003 short Review--

03年度は小粒でもキラリと光る個性的な作品が多かったように感じます。その中で、全体を通じて安定した評価を与えられる2曲を選んでみました。当然入ると思われる「旅立ちのうた」は、個人的には失格なのです…曲名を音声で言わない音楽番組なんてあり得ませんから。
新曲は19曲でした。