Primary Choice
「月のワルツ」
(04年10/11月放送)

月の蒼い夜、不思議な世界に足を踏み入れてしまった「わたし」の姿を描いた作品。大人の味付けをふんだんに施した番組の異色作であると同時に、最近では珍しい正統派ファンタジーソングとして貴重な存在。緊張感あるジャジーなスタイルを貫いた演奏は見事。楽曲と真っ向勝負したいしづかあきこのアニメーションも、大胆な引用と独特の世界観が相まってすばらしい。番組本来の魅力を再確認させてくれる傑作。

Secondary Choice
「僕らをのせたバスは」
(05年2/3月放送)

僕たちは人より不器用だから、たくさん汗をかいて、ゆっくり夢を見よう、と歌われる人生賛歌。演奏者と同じくハンディキャップを持つ人達への応援歌でもあるが、ハンディキャップを超越した明るさと爽やかさが魅力。親しみやすいサビの旋律は番組にふさわしい喜びにあふれている。若林佳子の映像も素直な仕上がりで、好感が持てる。

--Musical Piece--

• 月のワルツ
• 僕らをのせたバスは

ファンタジーソングの王道を行く「月のワルツ」は、歌詞・曲ともに見事な出来栄え。「僕らをのせたバスは」では、親しみやすい旋律と生きる力を自然に描いた歌詞がベストマッチを見せる。

--Performance--

• 永遠にともに
• 月のワルツ

「永遠にともに」での抑制の利いた序盤もいいが、畳みかけるようなクライマックスでの歌唱は、コブクロのセンスを感じさせる名演。ジャジーな演奏に徹した「月のワルツ」は、渋い味わいで魅力的。

--Picuture--

• 月のワルツ
• サイボウの不思議

子供たちにも知られた作品を引用することで、アダルトな中にも親しみやすさを醸し出した「月のワルツ」は絶品。「サイボウの不思議」は森まさあきならではのクレイアニメが、生命の不思議を見せてくれる。

--Current Topic--

• とのさまガエル
• 空へ

石坂浩二のナレーションが全てだった「とのさまガエル」は、番組きっての異色作…ナレーション以外思い出せない(笑)。「空へ」では世界のソプラニスタ岡本知高の神秘の歌声が流れ、独特のムードが注目された。

--Rebroadcast on TV--

• まっくら森の歌
• WAになっておどろう

番組屈指の名曲「まっくら森の歌」が流れたのは幸せ。アテネ五輪だからと「WAになっておどろう」を出すのは、いかにもこの番組らしい。TV再放送曲はのべ20曲でした。

--2004 short Review--

04年度は、ファンタジー系の作品に特色あるものが登場しました。「癒し」を曲想にすえた作品も目立ちました。閉塞がちな世相を様々な形で反映した番組作りが伺えます。歌い手はもちろんのこと、映像作家にもミーハー化の波が本格化したのも特色でしょう。
新曲は20曲でした。