Primary Choice
「WA になっておどろう〜イレ　アイエ〜」
(97年4/5月放送)

いまや番組の看板ともいえる「ロングバージョン」の第1作。エスニックミュージックを大胆に用いながらも、若者からお年寄りまですべての世代に受け入れられる工夫を随所に盛り込んだ作品。見事な楽曲の設計、技量抜群の覆面ミュージシャンによる見事な演奏、文字通り世界中を駆け巡った話題性…どれをとっても番組の歴史に名を刻む大事件だった。この作品があるからこそ21世紀に「みんなのうた」が受け継がれたと言って決して過言ではない。文句なしの傑作。

Secondary Choice
「さとうきび畑[リメイク]」
(97年8/9月放送)

この曲がリメイクされることに関して、様々な思いを持った人が多いのは事実。でも、好みは別として、ロングバージョンを見事に歌いきった森山涼子の歌唱は見事。吉良敬三+NHKスタッフの映像も、番組の歴史でも五指に入る大傑作。この曲が問い掛けるものは未だ解決されていないという厳しい現実を、まざまざと見せつけてくれた。

--Musical Piece--

• WA になっておどろう
• E-WaH-OH

「WAになって…」は今や伝説となってしまった。「さとうきび畑」ももちろん名曲だが、これはリメイク版なので、ご遠慮いただいた。番組にゴスペルの風を吹き込み、今ならではの人生賛歌を歌い上げた「E-WaH-OH」を推したい。

--Performance--

• E-WaH-OH
• WA になっておどろう

「E-WaH-OH」のTHE VOICE OF JAPANは、日本のゴスペルを見事に表現。彼らがアマチュアというのがすごい。「WAになって…」は、やはりAGHARTAの名演奏が聴き所。さりげなく超上手い!

--Picuture--

• さとうきび畑
• WA になっておどろう

「さとうきび畑」での見事な実写とアニメの融合、そして衝撃のラストシーンは、かつてない重いメッセージを表現。「WAになって…」での気配りの利いた演出も捨てがたい。なお、両作ともNHK演出は同一人物。

--Current Topic--

• WA になっておどろう
• ごっつぉさま

まさかこの曲がV6にカバーされるとは、まさかこの曲が長野オリンピックで使われることになるとは…「WAになって…」は社会現象でもあった。社会現象といえば、とんだとばっちりを受けたのが「ごっつぉさま」。新曲で放送中止は初めてかも。

--Rebroadcast on TV--

• WA になっておどろう
• コンピューターおばあちゃん

再放送コマを1曲が独占したのは、「WAになって…」が初めての快挙。連続再放送も成し遂げ、まさにぶっちぎり。「コンピューターおばあちゃん」を代表に、年度を通じて時代を先取りした名曲の再放送が目立った。
再放送は延べ17曲でした。

--1997 short Review--

97年度はロングバージョンの誕生という、番組にとって大きな転機となった年でした。その最初を飾った「WAになって…」の大ブレイクが、まさに番組の進む方向を決定付けたのです。この他にも佳作も少なからずあるのですが、この曲の前にはやはり影が薄いようです。
新曲は17曲でした。