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90年代みんなのうたのエポックメーキング。
初放送は1993年12/1月。放送が始まった当初は、この曲がこれほどまでにヒットするとは、おそらく誰も想像できなかったかもしれない。しかし、放送が続くにつれて、いわゆる「公園族」の主婦=ヤングママの間に口コミでこの曲の存在が広まっていった。
朝、夫を送り出して、掃除をして洗濯をして…と目まぐるしく働いたヤングママたちが、そんな家事の合間にふと耳にしたこの曲(幼い子どもを静かにさせるには「おかあさんといっしょ」を見せるのが一番、というのは常識で、この時間帯NHKテレビをつけている家は多い)に、どれほど共感を覚えたのか、筆者では語り尽くせない部分も多いはず。ただ言えることは、この曲に歌われている余りにも日常的な「お母さん」の姿が、日本中のヤングママの心をつかんだということである。
この作品は、そのヤングママはおろか、一般の主婦層にも大きな共感を持って迎えられた。NHKには再放送のリクエストと共に楽譜の問い合わせが殺到(なんでもテキストがかなり売れたらしい)。結局、1シリーズ間を空けた94年4/5月から4シリーズ連続で再放送されるという、破格の扱いを受けた。また、後年ママさんコーラス用にアレンジされた楽譜も発売され、話題を呼んだ。
これまでも、みんなのうたに「お母さん向け」の作品がなかったわけではないが、この作品の大ヒット以降、この番組では明確に「ヤングママ世代」をターゲットにした作品がいくつも登場することになった。この動きは、ひいては番組ミーハー化促進の一翼を担うことにもなった。この点において、この作品は90年代におけるみんなのうたという番組の方向性を決定付けたと言って過言ではないだろう。
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