2005年9月のある日、インターネット上で見つけた情報に、私は目を疑いました。
「銀河漂流バイファム コンプリートDVD-Box発売決定」
そこには、そのニュースを素直には喜べない私自身の姿がありました。

これでもいちおうは「バイファム」テーマのサイトを運営しているぐらいのファンなので、この作品に関する媒体はそれなりに揃えています。以前販売された3巻セットのDVD-Boxは後ろの棚に置いてますし、2巻セットのLD-Boxもすぐ横にある。あの「バイファム13」のLDだって全巻揃っています(めったに見ることはありませんが、これを見るためだけに今でもLDプレーヤーを持っています)。4巻製作されたOVAもLDかVHSで所有しているし、音楽アルバムも「デジタルトリップ」以外はみんな聞くことができます。それに、総集編ではあるが、かの「バイファムニュース」だって全号読むことができる! つまり、今回発売されるDVD-Boxの内容は、媒体の古ささえ気にしなければ、既に私自身の手元に揃っていることになります。
でも、そんなことを気にしているんじゃない。もっと違うことが私の心をよぎるのです。

先のDVD-Boxが発売されたのが2002年。あれから4年足らずのうちに、多少内容が変わるとはいえ改めてDVD-Boxの販売が企画されるというのは、さすがに商業主義の香りが強く、そこに私は知らずのうちに反発を感じたのかもしれません。確かにこの作品も結局のところは商業ベースの作品ですが--前回のDVD-Box発売時にそれは強く実感しました--そうは言いつつも、もっと純粋な感動があったからこそのこの作品だ、という思いが私を支配しているのかもしれません。先のDVD-Boxを買ったファンにとっては、事実上二重の出費を強いることにもなりかねないわけで、それを4年のうちにやってしまうのは、ちょっとあこぎじゃありませんか、とも思うのです。

迷いに迷ったあげく、今日DVD-Boxの予約を入れました。
別に「バイファム」関連のグッズをコンプリートしたいというわけでもなく、サイトをやっている義務感からでもなく、ましてやお金が余っているわけでもありません。
この作品の新しい重要な商品が発売されるのであれば、それが届くまでの毎日をワクワクしながら待ってみたい。そんな気持ちを持つ事ができる自分を楽しんでみたい。突き詰めると実に単純な、他愛ない思いがそうさせてくれました。
それに、この作品を相手にこれだけの散財をする機会なんて、もう2度とないかもしれない。その機会を逃すのは、やっぱり何だかもったいないような気がするのです。
…結局のところ、私は今でも「バイファム」のファンなのです。その事を誇りに思うし、幸せに感じます。身の回りには色々あって見る機会もすっかり少なくなってしまったけど、だけど見ている時間は確かにこの作品の虜になっている。そんな自分の姿を、この機会を通じてもう一度確かめたいと思っています。
そう、幾年経とうとも、いい作品はやっぱりいいのです。