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お気に入りのミリタリーファッションに身を包み、憧れのレンジャー部隊の帽子をかぶっても、ケンツの中身は何一つ変わっていないようです。お尻の青いあざが取れていないことを密かに悩み、ケイトの生存を知ってまずははしゃぎ回った後にもう一つの事実に気づいて落ち込み、そして護身用にと大きなミサイルを持っていこうとする姿は、テレビ本編の姿そのままといえるでしょう。歓迎午餐会の席で、司会者の口上にもっともらしくうなずく姿なんかは、もう拍手ものです。
彼の場合、特にシャロンとの関係が相変わらずなところが実に微笑ましい。依然として彼女の尻に敷かれっぱなしであることは、冒頭からすぐに明らかになります。まだ、互いを本当の異性として意識していないところが、上手に描かれていきます。とは言いつつ、シャロンのパジャマの中身はしっかり目撃したわけで(笑)、彼もこれから少しずつ変わってくるのかな?
また、シャロンがケイトの形見を持ち出してくる場面で、「モデルが悪いんじゃない」とつぶやくところは傑作でした。あのあたりの二人のやり取りは、深刻な中にあっても大切な部分だと思います。
彼の弟分であるジミーとの交流も、楽しいエピソード群に仕上がっています。ケンツにしてみれば、ジミーを従えているんだという気になっている場面が幾つかあるのですが、必ずしもその通りにはなっていないところが面白いですね。そのことを二人とも別段気にも留めないところが、いいのです。
空港での別れの場面になって、ケンツはジミーに一方的に双眼鏡を渡し、そのまま立ち去っていきます。このシーンは、ケンツが別れに際して相手に品物をあげた唯一の場面として、特筆すべきものでしょう。でも、ケンツが自分の思いを言葉にすることは、結局今回もできませんでした。彼にはこういう場面がどうも苦手なようです。でも、それを理解してくれる友がいるから、彼は幸せなのです。
※この項の一部は、まーさんのご指摘に基づいて書き起こした物です。
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