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この作品でのジミーの姿には、いくつもの悲しみを乗り越えた末に取り戻した、彼の本来の明るさが見てとれます。そうした彼の姿を見るにつけ、私はある種の感動を覚えます。テレビ本編でもそうであったように、ここでも彼は心優しい、素直な少年でした。
記憶が戻らないケイトに対して、他の年長者がもどかしさを持って接するなか、ジミーだけはそんなことを意識せず、自然にケイトと向き合い、そして笑います。もちろん、彼にとってもケイトの記憶がないという事実はとても辛いのですが、そのことを保留して、今あるがままのケイトと素直に心の交流を図ることができます。なかなか凡人にはできないことですが、それを意識せずにやってのけるところが、ジミーのすばらしいところなのです。その夜ケイトが子供たちに話す「懐かしさ」というのは、ひょっとしたらジミーとの触れ合いのことではないか、そんな想像さえしてしまうほど、あの夕暮れの二人のシーンは印象的でした。
その一方で、ジミーの持つ鋭い観察眼も健在です。空港での出迎えの場面で、一瞬現れたケイトの姿を見つけたのは、やはりジミーでした。そして、そのケイトと再会した後、彼女のいい匂いは前と同じと微笑む様子も、ジミーならではの感想といえるでしょう。あの台詞、他の男子キャラが言うわけにはいきませんし、やはりジミーの専売特許といったところでしょうか。
久しぶりの対面であるはずのケンツとも、彼はあっという間にかつての息のあったところを取り戻します。互いに記念の品を見せ合って、友情を確かめ合うシーンはとても印象的でした。お尻の青いあざを巡るやり取りも微笑ましかったですね。また、枕投げの場面に代表されるいつものテンポ感も、私たちには嬉しいところでしょう。
彼のことを大切に思ってくれる人、つまりカチュアにとっても、ジミーは次第に頼りになる男の子となりつつあるようです。本編で見せていたほどにはジミーがカチュアの側にいることはありませんが、作品中で彼がカチュアのことを常に思いやっていたことは確かです。スコットの知らせにカチュアが自制を失ったときも、彼女を支えていたのは、ジミーその人でした。
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