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作品冒頭からなんとも形容し難い衣装で登場するペンチは、どうもその外見以上に、ぶりっこの度を深めたようです。それを彼女は知ってか知らずか、前作以上の積極性を持って周囲にあたっていきます。
特に、フレッドとの関係はちょっとすごいことになっているような気がします(私の気のせいだけとは思えない)。二人の会話から想像すると、地球に帰ってから互いに顔を合わしたことはないようですが、ペンチにとっては今回が彼を支配下に置くには絶好の機会であるかのように、最初から自分のペースにフレッドを引き込んでいきます。また、フレッドも人がいいものですからそれにどんどん応じていくわけで、結果としてアツアツと言うよりはデレデレと言ったムードのカップルができ上がってしまいます。それがまた奇妙にマッチするところがペンチのすごいところです。
個人的に面白かったのは、スコットからケイトの状況説明を受けている場面で、フレッドがジェイナスに行けばいいと提案するシーンです。あのシーンの冒頭でペンチは、(ちょっとわざとらしい)涙声で「ケイトさんかわいそう!」と叫びながら、どさくさに紛れてフレッドに抱きつこうとするのですが、フレッドが前に出て話し始めたため、彼女の腕は見事に空を切って、そのまま彼女は床に倒れてしまいます。そこまでするかね、普通。
また、往年の好敵手であるシャロンとの会話も、一瞬ながら相変わらずの技の冴えを見せて、私たちを楽しませてくれます。特に、新しくアイテムに加わった眼鏡を拭きながら「…なさるのね!」と顔を赤らめる姿は、もう感動ものです。
このように書くと、何だかペンチはイロ物のように思えてきますが、実際そのような一面をことさら強調するようにこの作品で描かれていたことは、否定できないと思います。だからといって彼女が嫌味なキャラクターに成り下がったわけではありません。自分の思いをしっかりと抱いている子だからこそ、こういう扱いをしてもペンチはペンチらしい、すてきな女の子であり続けたように思います。
だからこそ、キャンプの場面の最後で、彼女は大役を仰せつかり、見事にそれを演じきることができたのでした。あれは掛け値無しでいいシーンでした。
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