<<フィナーレ>>

第44話「大宇宙のうた」

D//ジェダさんたちが用意したシャトルに乗って、僕たちは無事ククト星を脱出した。地球軍とのコンタクトに成功すれば、夢にまで見た両親との再会ができるのである。僕たちの胸は、大いなる希望に膨らんでいた。	2059年4月×日 もうすぐ終わりだというのに、どうして僕たちの旅には、こんなに邪魔が入るんだろう。あのミューラァというパイロットは、無事なんだろうか。確かに敵には違いないけど、僕に鞄を返してくれたし、そんなに悪い人じゃないような気がする。 あと、ミューラァの言葉を聞いたからというわけではないけど、カチュアとジミーの2人がどうすることが一番幸せなのか、決断するときが近づいてきた。最後はあの2人が決めるべきことだけど、僕も少しでも役に立てるように、いろいろ考えておくことにした。 それにしても、シャロンのヤツめ、またあんな本を持ち出してきて。クレアが思ったほど怒らなかったのでちょっと安心したけど。あの本、ちょっとよかったんだけど、どこにやったのかな。
2059年4月×日 今日は初めて地球軍と通信がつながった。ベルウィック星に向かう途中、ジェイナスのブリッジでクレアのお父さんと話をしたのが、もう遠い昔の話のようだ。ここまで苦しいことばかりだったけど、旅を続けてきた本当によかった。そしてなにより、どうやらみんなの両親も無事らしい。もう一息だ。だけど、カチュアのことが少し気になる。今日は元気に笑っていたけど、本当に大丈夫だろうか。

第45話「とっておきの贈物」

D//地球軍とのコンタクトに成功した僕たちは、彼らの指定した星域へと向かった。

(地球軍とリベラリストとのランデブー作業が始まり、スコットは日誌をつける余裕がありません)

第46話「いつまでも13人」

D//僕たちクルー13人は、コンタクトを取っていた地球軍に危ないところを助けられた。そこで、彼らと会おうとしているジェダさん達の橋渡し役も兼ねて、まず、ロディとバーツが、地球連邦軍第７航空艦隊旗艦バンガードの艦長に会見することとなった。 Ｄ//僕たちが久しぶりに地球の食べ物を口にしながらくつろいでいる時、ジェダさんたちは地球軍の代表者たちと記念すべき第１回目の会合を持っていた。会議の内容はもちろん僕たちに知る術もないが、ククトニアンと地球人が同じテーブルにつくということは、僕たちにとっては最大の希望であった。戦争なんて、一日も早く終わるにこしたことはない。これは敵味方を問わず、みんなそう思っているに違いないはずだ。あのカチュアのためにも… Ｄ//僕たちの旅は、今終わろうとしている。地球へ行けばまた、それぞれに別れて新しい生活が始まるだろう。そういう意味では、カチュアとジミーとはちょっと早く別れたと思えばいい。カチュアの言うとおりだ、さよならなんか言うもんか。どこにいても僕たちはいつも13人。僕のこの航海日誌も、今日で最後のページとしたい。

2059年4月×日 さっき、最後の航海日誌を記録し終わったところだ。これでようやく僕たちの旅も終わったんだと思うと、心の底からほっとしている。 カチュアとジミーは、ククト星に戻って上手くやっていけるだろうか。そんなことを心配する必要はないことはわかっているけど、つい気になってしまう。でも、デュボアさんたちはみんないい人だし、カチュアもきっと両親に会うことができる日が来ると信じたい。そして、またいつか、みんなと再会できればいいと思う。早くジェダさんたちの交渉がうまくいって、僕たちが平和に行き来できるようになって欲しい。 他にいい言葉が思い浮かばないけど、僕たちは本当によくやってきたと思う。最初のうちはみんなばらばらだったけど、いつの間にか仲間になって、みんな一緒になって旅を続けることができた。僕自身も、最初は大人がどんどん死んでしまい、とても怖かった。でも、クレアや他のみんなが助けてくれて、ここまでくることができた。僕のキャプテンぶりはそんなに悪くはなかったと思うけど、みんなはどう思っているんだろう。 まだ他のみんなははしゃぎ回っているようだ。でも、僕はちょっと疲れてしまった。今日は早く寝て、また明日父さんや母さんとゆっくり話をしたい。