テーマ分類	恋・結婚	曲の様式	POPS
「みんなのうた」ではおなじみの沢田知可子の詩に、モンゴル出身の実力派シンガー・オユンナが自ら曲を付けた作品。この番組ではあまり例のないトーチ・ソング(失恋・別れの歌)。緩やかなテンポに乗って、素直になれなかった自分への思いが、切々と綴られていく。途中で転調したあと、D.S.となって再び「君を乗せたバスは…」と歌い継がれていく部分が、実にドラマチックな仕上がりとなっていて、思わず曲に引き込まれてしまう。オユンナの歌唱は、未だ日本語の発音に若干の不自然さは残るものの、ドラマチックな感情の変化をよく表現していて、好感が持てる。

映像作者	大井文雄+片桐飛鳥
映像分類	CG+写真
ここ1年あまりですっかりレギュラーの仲間入りを果たした片桐飛鳥の写真を背景に、大井文雄のCGが冴えわたる。オユンナ本人をイメージした女性を主人公に、透明感のあるさみしさとでも言うべき世界を丁寧に描いている。「I LOVE YOU」という文字列を巧みに生かした表現はユニーク。特にD.S.に入ってからのカレンダーの数字が「I LOVE YOU」へ置き替わっていき、最後にそれが降りそそぐという演出は、お見事の一言。片桐の写真はあいかわらず凝った構図が多いが、奇をてらった表現がなくなり、背景としての役割を果たして、なおあり余る存在感がある。