♪Hawaiian Rock'nRoll というサビの歌詞(B)とともに登場したカットには、私だけでなく、番組を見ていた人すべてが驚いたのではないでしょうか。曲に合わせて体をくねらせている二人は、立派なおじいちゃんとおばあちゃん! おじいちゃんがウクレレを弾いているのはまだいいとして、おばあちゃんは真っ赤な水玉模様のビキニにサングラスというすばらしいお姿を披露してくれます。これにはたまげた!!
リフレインされるサビの部分(B-B')は、ひたすらこの老夫婦のアツアツぶりが描かれます。一緒に踊る二人は、熱い視線で互いを見つめます。中でも圧巻なのは、おじいちゃんのウクレレに合わせて「たゆん」となるおばあちゃんの胸のカットでしょう。おばあちゃんの胸をこれだけの迫力で描き出したアニメーションは、この作品が最初ではないでしょうか。このカットにおばあちゃんがおじいちゃんに今でも寄せる燃えるような恋心の激しさが凝縮されているようにすら思えます。
こうした視覚上の印象と同時に、サビの部分の映像からはもう一つの演出の意図が浮かんできます。A'で描かれた回想シーンは実はそれほど昔のものではなく、実際に二人が老人と呼ばれる年齢になってからの出来事かもしれない、ということです。
もっと若い頃にも、二人はきっと同じように海にドライブして、お互いの水着を眩しく感じたりしたことでしょう。その頃の熱く眩しい愛を確かめ合うために、おじいちゃんはわざわざオープンカーを探し出し、おばあちゃんはあの水着を買ってきたのではないでしょうか。
このお二人の年齢を感じさせない愛の熱さと深さに、私は驚くとともに心から賛えます。が、映像の物語はさらに大きな仕掛けを用意していたのです。