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ごく普通の中学3年生・月島雫は、夏休みのある日「ヤなヤツ」と出会います。2学期が始まると、偶然の手引きで雫はそのヤなヤツに近づき、いつしか好意をいだくようになります。その少年・天沢聖司には既に立派な人生の目標があると知ったとき、雫は自分の幼さに気づき、何とか彼に追い付こうとがむしゃらに頑張り始めます…。原作を同名の少女漫画に求めた、ジブリ作品としては異色の爽やかな恋愛物語。近藤喜文氏(故人)の初監督作品。原作：柊あおい(集英社「りぼん」連載/刊)、監督：近藤喜文、脚本・絵コンテ：宮崎駿、制作：スタジオジブリ、配給：東宝、1995年作品。 |
| 何を隠そう、私が社会人になっても「アニメーションを見るっていいなぁ」と思うきっかけになったのがこの作品でした。この作品に出逢わなければ私ももう少しまっとうな人生を送っていた、なんてことは決してありませんが、アニメーションという表現手法のすばらしさを改めて実感したのがこの作品でした。 じゃあ、いったい私はこの作品に何を見たのか? それは決まっているじゃありませんか。青春です。そんな照れくさい言葉でも堂々と言ってしまえる、そんな気持ちにさせてくれるのが、この作品の魅力なのでしょう。徹底して映像表現としてのリアリティにこだわりつつも、アニメーションならではの虚構の現実化というトリックを見事に使い込んだ演出だからこそ、この作品は青春ドラマとしてあれだけの成功を収めたのだと思います。 (2002.5) |
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