魔法のプリンセス・ミンキーモモ

「ミンキーモモ」は一種独特の感情を持たずに思い出すことが難しい、ちょっと不思議な作品でした。未だにこの作品のことを口にするのにはちょっとためらいがあるという人も多いかもしれません。そう、全ての男性アニメファンをひとくくりに奈落の底に突き落とした「ロリコン」というレッテルは、この作品をきっかけの一つとして一般の人々の間に広まっていきました。その意味においても、この作品はエポックメイキングだったと言えるでしょう。
でも、そうした表面的な現象とは別に、この作品の根底にはそれまでの女の子向けアニメーションとは明らかに異なる一面がありました。毎回繰り広げられるスラップスティックに込められた明確なメッセージは、確かに私たちの心に届き、語りかけていたのです。
それまでの「魔法少女物」の枠ではくくれない新しい世界を描いたこの作品は、TVアニメーションのエポックメイキングとして、まさしく燦然と輝いています。

このエリアでは、私が「夢」そして「希望」というものを具体的に意識するきっかけとなったこの作品について紹介してみようと思っています。モモをはじめとするキャラクターの魅力を追体験するのはもちろんですが、それ以上に「現在から見たモモ」という視点から、シリアスに作品世界へのアプローチを試みるつもりです(ウソウソ!?)。
なお、このエリアでは1982年から放送されていた旧作のモモ…つまりフェナリナーサ版ミンキーモモ(マニアさんの間では「空モモ」と呼ぶんだそうです、なるほど)の、主に第1部を取り上げる予定です。私にとってのモモは、やっぱりここなのです。