Fairy Princess MINKY MOMO 魔法のプリンセス・ミンキーモモ 第8話 婦人警官ってつらいのネ

ゲストキャラクター(一部のみ紹介)

マリー	吉田理保子	自動車泥棒	小出童太
ルピン	笘見純	強盗	西村知道
ボスA	笹岡繁蔵	ギャング	桜本晶弘
妹	阿部きし子	女性	岡崎裕美
ボスB	(記載なし)	警察署長	(記載なし)

今回のパパ(P)とママ(M) P:登場せず M:登場せず

モモの魔法(変身) 婦人警官になぁれ!

今回の王様(K)と王妃様(Q) K:空飛ぶじゅうたんから落ちる Q:傷ついたモモを哀れむ

ペンダントが光った理由

言及なし(マリーの活躍を助けたことで、働く女性たちに希望を与えた)。

今回のハッピーティア

エメラルド…5月の誕生石。「幸せな奥様」

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ものがたり
どこかの町

ある日、モモのもとに差出人のない手紙が届きます。その手紙を読み始めたモモは、それがラブレターだと気づきます。初めてのデートに心弾むモモは待ち合わせ場所の公園へと向かいますが、途中の道路は車の往来が激しく、渡ることができません。そこでモモは婦人警官に変身し、車を止めて道路を渡ろうとしますが、新米の婦人警官マリーに呼び止められ、そのままミニパトに乗せられてしまいます。 マリーの隙を突いて逃げ出そうとしたモモは、偶然自動車泥棒を捕まえますが、モモは泥棒の始末をマリーに押しつけました。さらに空き巣狙いに出くわしますが、急いでいる彼女は見逃してあげました。ところが、この空き巣狙いこそ、有名な怪盗ルピンだったのです。ルピンは自分を諭したモモの優しさに心打たれ、彼女を探し始めます。ようやく子供に戻ったモモでしたが、マリーの失敗を助けるために婦人警官に逆戻り。それが片づいたと思ったら、今度は銀行強盗が発生。現場に急行したモモは、見事に犯人を取り押さえます。3時の約束に遅れたモモは、懸命に公園へ向かいました。 折しも公園では、二つのギャング団がなぜかマラソンで縄張り争いの決着をつけていました。その様子を、モモにラブレターを出した街の不良青年達が見つめていました。モモを心配して来ていたシンドブック達は、彼らの心ない言葉を聞きつけて我慢ならなくなり、彼らにつかみかかります。それがギャング団に飛び火してしまい、あたりは大騒動になりました。 モモはまたも婦人警官に変身して、シンドブック達を助けようとします。そのさなか、不良青年が持っていたラブレターがまき散らされ、モモの目の前に落ちてきました。それを読んだモモは、その青年に詰め寄ります。「こんな手紙につられるまぬけな女もいるのさ」という彼の言葉に、モモの怒りが大爆発! 青年に平手打ちをかましたモモは、悲しみに身を震わせるのでした。 結局、悪い連中を捕らえた手柄はみんなマリーの物となりました。彼女は優秀な警官として表彰され、そのことでモモのペンダントが輝き、2つ目のハッピーティアが王冠にはまりました。しかし、純真なモモの心の傷はなかなか癒えなかったのです。

ほうがんのこだわり

2つ目のハッピーティアがはまるかどうかというこの回になって、スタッフは4話同様再び真剣勝負を挑んできました。つまり、「モモ」という作品の魅力である多数のモブキャラが繰り広げるスラップスティックを、これでもかとぶつけてきたのです。その一方、「夢を打ち壊す」存在をこれまでになく前面に打ち立てて、モモの試練をクローズアップしました。その結果、このエピソードは作品全体から見ても極上の仕上がりとなっているのですが、何とも苦い結末となってしまいました。 見方を変えると、あまり自分に都合のいいように魔法を使ってはいけないよ、という教訓をモモに与えた形にもなっています。でも、考えても見てください。夢の世界に生きてきたモモにとって、いつかその日が来ると夢見ていたラブレターの相手に会いにいくために、女の子の憧れ(なんかこればっかりだなぁ、でも実際その通りなのです)である婦人警官に変身するのは、極めて自然だと思いませんか。そして、その夢がこんな形で踏みにじられてしまうのは、モモにとってどれほど耐え難いことだったことか。それでも「いつかきっと、私にも本当のラブレターが来るわ」とつぶやくモモの姿は、痛々しい限りです。そう、彼女はたとえひとときでも夢を捨てることができない宿命を背負っていたのでした。 最後の大乱闘シーンは、スラップスティックとしての「モモ」の魅力全開で、もう存分に楽しめました。モブキャラの中にどこかで見た顔が多数あるのは、お約束ですね。空に舞うラブレターを見て「いかーん!」と叫ぶシンドブックと、それを何げなく拾ってしまうモモの対比がすばらしい。そして、クライマックスで「火山が大爆発する」ところが、いかにも「モモ」らしいですね。そして、あのモモの台詞。声優・小山さんの見事な演技が、場面の(いっぷう変わった)緊迫感をさらに引き立ててくれました。 冒頭、「ついに来るべき物が来たんだわ!」と顔を上げるモモの描写は、スタッフの気合い十分で、見る方も思わず息を飲んでしまいます。その一方、マリーを助けるべく変身したモモが人ごみをかき分ける際のとんでもないハプニングや、「十を頭に12人の子供が…」と言い訳をする空き巣狙い=ルピンといったあたりのずっこけぶり、そしてモモにラブレターが届いたと知ったお供3匹のリアクションなどが細かく描かれているところが、この話をより魅力的に仕上げています。 なお、この回、モモは危うく車にひかれそうになるのですが、このシーンがいつの日か現実の物になろうとは、誰が予想し得たでしょう。