Fairy Princess MINKY MOMO 魔法のプリンセス・ミンキーモモ 第29話 UFOがやって来た

ゲストキャラクター

少年A	土井美加	ゼニダー(祖父)	宮内幸平
トニー	鈴木れい子	ダン	野崎貴美子

今回のパパ(P)とママ(M) P:(登場せず) M:(登場せず)

モモの魔法(変身) 宇宙人になぁれ!

今回の王様(K)と王妃様(Q) K:シャボン玉を飛ばして遊ぶ Q:自分たちの新しい夢を喜ぶ

ペンダントが光った理由

トニーだけでなく、フェナリナーサの住人にも新しい夢を与えたから。

今回のハッピーティア

サファイア(9月の誕生石。「慈愛・誠実」)。

モモ

モモ

モモ

モモ

スロット

シンド

ピピル

モモ

モチャ

前回へ

解説扉へ

次回へ

ものがたり
どこかの町

ある夜、モモが眠っていると、窓の外にUFOの形をしたフェナリナーサの空中宣伝カーがやってきました。モモは騒ぎになってはいけないと、その円盤にフェナリナーサに戻るように諭し、円盤は残念そうに帰っていきました。 翌日、公園でUFOと友達になったという男の子(トニー)が他の子供たちにいじめれているのを見かけたモモは、トニーがあの円盤を見たのだと思って、責任を感じます。トニーからUFOの話を聞いたおじいちゃんは、トニーを不憫に思い、自らUFOを作って空を飛ばそうとしましたが、あえなく失敗してしまいます。おじいちゃんも自分のことを信じてくれなかったと傷つくトニーでしたが、モモは優しくとりなすのでした。 次の日、王様の計らいで円盤君がこの町に飛来して、UFOが出たとみんな大騒ぎ。でも、トニーは、あのUFOは僕の友達とは違うと言って、ふさぎ込んでしまいます。心配したモモは、宇宙人になってトニーを慰めようとしますが、その時宇宙の彼方から本物のUFOがやってきて、トニーと心を交わしたのです。やがてUFOは飛び去っていきましたが、モモにも、そしてフェナリナーサの王様・王妃様にも新しい夢を与えてくれたのでした。

ほうがんのこだわり

今回は私にとって何とも表現しにくいお話です。初めて見た時も、ちょっと捉えどころがないなぁ、と(当時なりに)消化不良を起こしていたのを思い出します。これを書くために幾度か見直しても、やはりどこか不思議な感じがします。 トニーが見た物(UFO)を、誰一人本物とは考えることはできません。それでも、トニーを心配する周囲は、彼を何とか支えてあげようと懸命に動きます。しかし、そうした好意は全て無駄に終わってしまい、トニーはますます落ち込んでしまいます。ところが、最後にトニーの探していた「本物」が登場して、周りの人々はおろか、観ている私たちをも呆然とさせます。つまり、人々が勝手に思い込んでいたトニーの夢は、夢なんかではなく紛れもない事実だったのです。 見方を変えると、モモはトニーの体験を夢、あるいは見間違いだと勝手に思い込んで、間違った夢をかなえようと懸命になっていたことになります。最後にトニーは自分の探していた物と対面するのですが、そこにはモモの力はどこにも関わっていません。こんな調子では、ペンダントが輝くとは思えません。 それでも実際にはペンダントが輝き、ハッピーティアが王冠にはまります。モモは何一つできなかったのに、なぜそうなるのでしょう。これはとても難しい。 トニーがUFOの友達ともう一度会えると信じていてからこそ、UFOは再びトニーの前に姿を現しました。そのことは、フェナリナーサの住民である王様・王妃様・そしてモモにも、宇宙には夢がまだまだあることを改めて思い知らせることとなったのです。夢を見る、そして夢を与えるということを使命とする彼らにしたところで、その想像力にはやはり限界もあるでしょう。そしてもちろん、夢を見続けるということはたいへんな努力が必要なのです。 そんな彼らに夢を見るということの大切さ、幸福さをもう一度見つめ直す機会を、今回のエピソードは与えていました。それを見事に自分達の物にしたモモ達を祝福するために、ペンダントは輝いたのかもしれません。 いや、それでもモモはきちんと使命を果たしたのです。おじいちゃんに裏切られたと感じ(もっとも、いくら自分が種を蒔いたとはいえ、空の星になった母親がUFOで会いに来たというトニーの話を信じろというのは、無理ですよね)やり場のない怒りをどうすることもできないトニーに、モモは語りかけます「トニーを心配して、自分でUFOを作ったおじいちゃんは、サンタクロースも真っ青になるぐらい、すてきよ」。 …この優しさこそがモモの魅力なのです。