dark pendant

Fairy Princess MINKY MOMO

魔法のプリンセス・ミンキーモモ

第43話

いつか王子さまが



メインスタッフ
脚本 首藤剛志・土屋斗紀雄 絵コンテ 日下部光雄
演出 坂上睦 作画監督 兵藤敬

ゲストキャラクター
ジョニー 鈴置洋孝 アナウンサー 小柳全弘
司会者 桜本晶弘

今回のパパ(P)とママ(M)
P:元気のないモモを心配
M:雨の日のモモのお出かけを心配

モモの魔法(変身)
普通の女の子になぁれ!
ジョニーのキャラよ踊って!

今回の王様(K)と王妃様(Q)
K:鎖の製作者をお仕置きだと怒る
Q:王様とのなれそめを思い出す

ペンダントが光らなかった理由
言及なし(ジョニーの夢と自分の夢を共にかなえることができなかった)。

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ものがたり
どこかの町
モモは人々に夢や希望を与えるため、毎日大忙し。そんなある日、モモのペンダントの鎖が切れてしまい、それをジョニーというアニメーターの卵が拾い上げ、モモに手渡します。モモはビックリ! …フェナリナーサでは、女王のペンダントを拾った男性が、女王と結婚するという決まりがあったのです。ジョニーの素敵な夢を二人で一緒に楽しみながら、モモはジョニーへの気持ちが高まるのを抑えることができませんでした。
翌日、ジョニーの部屋に案内されたモモは、彼がアニメーションのコンクールに参加するつもりだと知ります。その次の日、病気になってしまったジョニーを見舞ったモモは、彼の夢をかなえようと一計を案じます。ジョニーが描いたセル画をもらってきたモモは、魔法の力でキャラクターを動かし、その様子を撮影します。しかし、現像したフィルムには何も映っていませんでした。
それから1週間が過ぎても、モモはふさぎ込んだままでした。ある日、テレビニュースでジョニーがコンクールで優勝したと伝えます。モモが見つめる画面の向こうで、ジョニーはこの作品をモモに捧げたいと語ります。
数日後、今日もモモと会えなかったジョニーは、落としたセル袋を拾ってくれた女の子の胸に、モモと同じペンダントが輝いていたことに気づきます。そのまま二人は遠ざかり、再びいつもの生活へと戻るのでした。

ほうがんのこだわり
前回までで「モモ」のハッピーティアを集めるというメインストーリーは事実上終了し、物語は今回からいよいよ第1部フィナーレへ向けて突き進みます。作品を完成させるためにはやむなしとはいえ、これからモモと私たち視聴者には辛い受難が続きます。
自分のペンダントを拾ってくれた相手が「運命の人」であることを、モモは王妃様から聞いていたのですが、その相手がまさか地上にいたとは! 予想外の出会いに、モモの心は揺れます。でも、夢の国の住人と地上の人が結ばれることは決してありません。
それを知っているからこそ、冷静なモモは「そうなのよね」と頭の中でつぶやきます。しかし、家に帰ったモモは「ジョニーがフェナリナーサの人でなくてもいいんじゃないのかな」と思い返します。この二つの台詞を、前者は大人、後者は子供のモモがそれぞれ独白するという演出が、この話の本質を見事に表しています。
自分ではどうすることもできない感情にモモは生まれて初めて苦しみます。定めが分かっていても、それでも自分の思いが通じないかと悩む姿が、私たちの胸を打ちます。当のジョニーはそんなモモの事情を知る由もありませんから、モモの現実逃避から来る質問にもただ首を傾げるだけです(彼ははフェナリナーサを知っているんですね)。彼は自分の夢を理解してくれる人としてモモと接し、夢を語り、同じ時を過ごします。
そのジョニーの夢をかなえようとしたモモですが、それはモモの魔法の力の及ぶ範囲ではありませんでした。ただ白い画面が終わってモモを諭すシンドブックの声は、同時にモモ自身の夢も今回ばかりは叶えられないことを、モモに告げていたのです。モモの恋の行方を心配していたお供の3匹でしたが、最後に義務を果たす結果になりました。
つまり今回、モモはジョニーの夢をかなえてあげることができなかっただけでなく、自分の夢のはかなさも思い知ることになりました。モモの助けではなく、自分の力で夢を果たしたジョニーの姿をテレビで見るモモの姿は痛々しい限りです。それでもモモは自分の力でジョニーとの夢を終わらせようとします。ラストシーンで公園を駆け抜けるモモの頭上に渡る虹が、スタッフからのせめてもの慰めだったのかもしれません。
今回のお話は実にシリアスだったのですが、その肩をほぐしてくれたのが王様と王妃様のやり取り。王妃様も見かけによらず(?)大胆だったんですねぇ。また、終盤でパパとママが見ていたテレビ番組に驚いた人も多かったことでしょう。ラムちゃん、さすが…