ミンキーモモ第44話

メインスタッフ
脚本	谷本敬次	絵コンテ	大庭寿太郎
演出	大庭寿太郎	作画監督	田中保

ゲストキャラクター
天使(エンジェル君)	野沢雅子	神	伊井篤史

ペンダントが光らなかった理由
言及なし(そもそも、誰かの夢を叶えるという物語でなかった)。

ものがたり
どこかの町
雪のある夜、流れ星がママのいる部屋に飛び込んでしまいます。外に飛び出したモモたちの前に、部屋の窓から男の子が飛び出してきました。その男の子は自分がエンジェルだと言いますが、その証明である翼がなくなってしまい、泣き出してしまいます。
モモがパパに相談にいくと、パパはなぜかそわそわ。なんと、ママの背中に翼がついてしまい、ママは空を飛べるようになっていたのでした。その翼をエンジェル君に移植しようとパパは約束しますが、とてもパパの手には負えません。やむなく、モモが外科医に変身して2人の手術の準備を進めます。その時、白鳥に変身したパパが登場して、ママの手を取って窓から空へジャンプ! 当然飛べなかったパパは大人げないとしょげますが、パパの愛情に感激したママは、パパと一緒に飛び立ち、夜空を舞いました。
そのどさくさに紛れて、エンジェル君は父親である神様を呼び出して、モモたちに天罰を与えてと頼みますが、神様は逆にエンジェル君を叱り飛ばし、翼を元どおりにして去っていきました。と、戻ってきたエンジェル君が、ママに箱を渡します。ママが箱の蓋を開けると、空には「BABY」の文字が輝きました。そう、受胎告知です。
…夢から覚めたモモがキッチンに下りると、パパとママも同じ夢のことを話していました。もうすぐママのお腹に赤ちゃんが宿るのです。

ものがたり
どこかの町
雪のある夜、流れ星がママのいる部屋に飛び込んでしまいます。外に飛び出したモモたちの前に、部屋の窓から男の子が飛び出してきました。その男の子は自分がエンジェルだと言いますが、その証明である翼がなくなってしまい、泣き出してしまいます。モモがパパに相談にいくと、パパはなぜかそわそわ。なんと、ママの背中に翼がついてしまい、ママは空を飛べるようになっていたのでした。その翼をエンジェル君に移植しようとパパは約束しますが、とてもパパの手には負えません。やむなく、モモが外科医に変身して2人の手術の準備を進めます。その時、白鳥に変身したパパが登場して、ママの手を取って窓から空へジャンプ! 当然飛べなかったパパは大人げないとしょげますが、パパの愛情に感激したママは、パパと一緒に飛び立ち、夜空を舞いました。そのどさくさに紛れて、エンジェル君は父親である神様を呼び出して、モモたちに天罰を与えてと頼みますが、神様は逆にエンジェル君を叱り飛ばし、翼を元どおりにして去っていきました。と、戻ってきたエンジェル君が、ママに箱を渡します。ママが箱の蓋を開けると、空には「BABY」の文字が輝きました。そう、受胎告知です。 …夢から覚めたモモがキッチンに下りると、パパとママも同じ夢のことを話していました。もうすぐママのお腹に赤ちゃんが宿るのです。

ほうがんのこだわり
今回のお話が次回からの第1部フィナーレに向けてのインターミッション的な性格を帯びていることは、いうまでもありません。43話からひたすら重いストーリーが続くだけでは子供たちがついてこれないので、少しは息抜き的な要素も必要だとスタッフが考えたことは、容易に想像できます。一方でこのお話の中では、ママのお腹に赤ちゃんが宿るという、物語の進行上極めて重要なイベントが描かれます。ここで提示されるささやかな、しかし人間にとって何よりも大切な希望が、迫り来るクライマックスにおいてどんな役割を果たしたのか、私は語るべき言葉を知りません。
その朝、モモはパパとママの会話をドアの向こうからそっと窺います。そして夢の中の出来事が正夢になると確信したモモは、希望に満ちた顔で「赤ちゃん…!」とだけ心の中で語ります。このたった一言に込められたモモの思いが、私たちの心を熱くします。
パパとママにとってモモは、自分たちにかなえられなかった夢を実現してくれた、まさに夢の存在だったわけです。ところがその夢が、今度は自分たちの営みでかなえられようとしている。これは見方を変えると、モモの存在意義そのものを否定しかねない重大な出来事です。前回でいみじくも描かれたように、ある人の夢が自らの手でかなえられる時には、モモは何も成すことができないのです。
私には、モモがこの事実に気づかなかったとはどうしても思えません。それでもモモは二人の夢がかなうことを素直に祝福します。夢を持ち続けることでモモの存在を受け入れてくれたパパやママへの感謝、いや、そんな形式ばったものでなく、もっと自然な感情がモモの心を満たしていたのでしょう。その「やさしさ」が、痛いのです。
こうしたモモの感情を織り込みながら、物語はここでもスラップスティックを存分に魅せてくれます。ある意味、今回の主役は紛れもなくパパとママだったのです。白鳥に変身したパパが登場してからのシークエンスは、ただただ唖然とするばかりのすばらしい出来映えでした。これはもう、物語の勝利としか言いようがないですね。また、このカップルと真っ向勝負のエンジェル君の熱演ぶりも特筆に値するでしょう。もちろん、巨大化するシンドブックもお忘れなく。…神の国の共通語は、熊本弁なのでした。


モモ・トップへ	解説扉へ	前回へ	次回へ

第44話

天使が降りてきた