| 物語は後半に入り、ジェイナスがタウト星に近づく間に、ロディはカチュアがククト語の練習をしていることに気づきます(26話)が、これが次回以降の伏線となります。27話になっていジェイナスはタウト星の周回軌道に入り、子供たちは偵察を始めますが、敵の迎撃に遭遇します。ロディは果敢にタウト星内部へ進入します(さすが主人公!)が、圧倒的な敵の前に捕虜となってしまいます(おいおい)。 ロディはこの星で今後につながる多くの出会いを経験しますが、尋問室でのカチュアとの出会いはとりわけ衝撃的だったかもしれません。ロディには彼女を通訳の言う「ガールフレンド＝恋人」と見る思いはなかったでしょうが、既に気になる存在になりつつありました。そのカチュアが自分を助けようとして一人でここに現れるとは! ロディはまたもカチュアにかける言葉がありません。それ以上に事態が緊迫しており、二人は十分に会話を交わす事ができません。 結局、混乱に乗じて彼らは無事脱出に成功します。ここではロディがカチュアをリードする場面が多いのですが、要所ではカチュアが機転を利かせてロディの危機を救います。互いに助けあって危機を脱したことで、二人の気持ちは急速に近づきます。ただし、ロディはここでも「カチュアに助けてもらった」という思いがわずかに残ることになりました。彼はそれを負い目に感じるようなタイプではありませんが、一方でククト語の練習をする姿を通じてカチュアの特殊な状況を身近に感じているだけに、なんとか彼女の力になりたいという思いが少しずつ芽生えてきます。しかし、世の中はそんな都合良くは進みません。 |
| タウト星を脱出した子供たちはククト星への降下を敢行しますが、そのさなかに敵の攻撃を受けてしまいます(30話)。子供たちは懸命に応戦しますが、ロディ・カチュア・ケンツの3人はジェイナスに帰還できなくなってしまいました。絶体絶命の状況下、スコットの大英断で3人はRVごとカーゴに乗り込んで独自に大気圏突入を図ることになります。3人はまさに生死を賭した試練を課せられました。普段は元気いっぱいのケンツもこの時ばかりはただ不安をぶちまけるだけです。そんな中、ロディをサポートするカチュアの冷静さがとても印象的です。 彼らはこの試練によく耐えました。31話冒頭ククト星の海辺で生きている喜びを確かめあう3人の姿を見てほっとしたのは、私だけではないでしょう。 |
| この場面で、潮風に身をすくめるカチュアを見たロディは、カチュアに自分の上着をかけてあげます。お礼を言うカチュアにロディはぎこちなくその場をとり繕います。この微笑ましいシーンに魅力を感じた方は多いのではないでしょうか。頬を赤らめてちょっとどもりながらケンツに指示を出すロディの姿は、やっぱり純な14歳の男の子です。このシーンに代表される彼ならではの照れが、しばらくの間作品を彩ることになります。 また、このシーンは、ロディが「普通の女の子」としてのカチュアと関わったほとんど最初のものであることにも留意すべきでしょう。これまでのロディは、カチュアとは「ククトニアン」あるいは「優れた技能者」といったキーワードで表現される部分でのみ関係を保っていました。しかし、これから3人だけで敵地を横断するという厳しい状況下で、ロディは初めて等身大のカチュアに触れることになります。極限状態の中の日常ともいえるこの状況は、それまで劇的な形でしか互いを知ることのなかった2人にとって、これまでにない何かをもたらしたはずです。それを印象付けるために、作品では2人にドラマチックなエピソードが用意されていました。ロディが毒虫に噛まれたのです。 |
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