|
→上村
|
| 脚本 | 平野靖士 | 絵コンテ | 網野哲郎 |
| 演出 | 網野哲郎 | 作画監督 | 芦田豊雄 |
| スコット | ロディ | バーツ | フレッド | ケンツ |
| ジミー | マルロ | クレア | マキ | カチュア |
| シャロン | ペンチ | ルチーナ | (ケイト) | ボギー |
ゲストキャラクター(キャラクター紹介登場分以外)…なし
| ケイトの死を悼み、子供たちは宇宙葬を行ったが、ロディはなぜか参加しない。ジェイナスの進路をタウト星に変更する作業が山積していたが、ロディはケイトが死んだ悲しみを忘れようと懸命に働いていた。一人悲しみにくれるカチュアを見かけたロディは、どうしてジェイナスを飛び出してしまったんだ、なぜ君は異星人だったりしたんだと、うっかり彼女を非難してしまう。 ジェイナスの航路に大型船の残骸が交差することがわかり、爆薬で残骸を爆破するためにバーツ、ケンツ、そしてロディが向かった。ロディのバイファムが残骸に爆薬を設置し終わったとき、中に潜んでいた敵が攻撃を仕掛けてきた。バーツとケンツは、パペットファイターで出撃したカチュアの協力も得て、ジェイナスに向かったARVを撃破したが、ロディは狭い空間の中で苦戦してしまう。 なんとかARVを倒したロディだったが、壁の割れ目にバイファムが挟まって、動けなくなってしまった。爆薬が爆発するまでもう時間がない。その時、カチュアが残骸の中に入り、間一髪でロディを救出した。子供たちは危機を乗り越え、ジェイナスは無事に軌道変更を完了した。 |
| ケイトの死を子供たちがどのように乗り越えていくかについて、ロディとカチュアを軸にして上手くまとめてあります。個人的には、前半の中で一番気に入っている回でもあります。 カチュアにひどいことを言ったり(このシーンでは、逆光の中、真っ黒に描写された二人の姿が強烈な効果をあげています)、バーボンにむせたりと、おおよそ主人公らしからぬ振舞いをするロディですが、そんな支離滅裂さが、それまでのアニメの主人公にはない「少年らしさ」を感じさせてくれます。ロディが形見にするケイトの写真を巡るシャロンやバーツとのやり取りが印象的でした。シャロンの鋭い観察眼と隠れた優しさにも注目しましょう。なお、彼女が見つけた「タタミ=形見」のバンダナは、いつの日か再登場することになります。 残骸の中で繰り広げられるバイファムとガッシュの戦闘は、(ロボットアニメとしての)バイファム屈指の迫力ある名シーンとなりました。双方ともバーニアを多用してのアクションは、RVの魅力を満喫させてくれます。とっさの機転でロディが勝利を収めますが、運命のいたずらが彼を襲います。ここで登場するのがカチュアなのですが、彼女なりに運命に立ち向かおうと懸命な様子が、心に響きます。この回から、カチュアの果敢さが物語の核の一つとなります。 もう一つ、ケンツとカチュアの関係も見逃せません。ケンツ自身も悩んでいることは画面上で痛いほど分かるのですが、彼はなかなかカチュアに話しかけることができません。そして自らの危機を救ってくれたカチュアの姿を見て、彼はまたもや口ごもってしまいます。戦いが終わって、大変な決意でカチュアに握手をしにいくケンツの姿が、いいじゃありませんか。その様子を見守るロディたち、そして何よりもカチュアの表情がすばらしいですね。 マルロとルチーナに「天国」の説明をするクレアの表情が、子供たちの気持ちを上手に表現していました。軌道変更作業の奮闘ぶりも楽しかったです。派手なシーンの一方で、こうしたさりげない描写が冴えた回だったと思います。 |
