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→上村
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| 脚本 | 星山博之 | 絵コンテ | 網野哲郎 |
| 演出 | 網野哲郎 | 作画監督 | 佐々門信芳 |
| スコット | ロディ | バーツ | フレッド | ケンツ |
| ジミー | マルロ | クレア | マキ | カチュア |
| シャロン | ペンチ | ルチーナ | ジェダ |
| アイゼル…富田耕生 | デュボア…原えりこ |
| オタ…西川幾雄 | ゲリラ…鈴木勝美 |
| オペレーター…喜多川拓郎 | ゲリラ…小野健一 |
| ジェダたちのシャトルは地球軍のビーコンに誘導されて、指定された宙域に向かっていた。両親に会えると期待している子供たちの一方で、カチュアとジミーは今後のことを悩んでいた。そんな折、ルチーナの誕生日が今日とわかって、子供たちは彼女の誕生パーティーを開くことになった。誕生日がまだ先のケンツや、戦闘中で誕生日を言い出せなかったジミーも、一緒に祝ってもらうことになった。みんなはルチーナにプレゼントを渡すが、ジミーが贈った幸運のお守り「ギャンザーのしっぽ」を、ルチーナは気味悪がって受け取ろうとしなかった。 楽しいパーティーの最中に、地球軍との接触を阻止しようと、またもククト軍の攻撃が始まった。ロディたちのRVも出撃するが、敵の大部隊の前に苦戦を強いられる。ルチーナは必死にギャンザーのしっぽを握り締めて、幸運を祈る。ジェダが地球軍との接触を断念しようとしたとき、地球軍の部隊が救援に駆けつけてきた。ククト軍は撤退し、シャトルは無事に地球軍との接触に成功した。ルチーナは、お守りをくれたジミーに改めてお礼を言うのだった。 |
| 最後の戦闘をくぐり抜けて終局へ向かうというのはロボットアニメの典型的なパターンであり、この作品でもそれは踏襲されていますが、その中にいかにもバイファムらしいエピソードを織り込むことで、この回を味わいのあるものにしてくれています。 この回の「影の」主人公であるジミーは、その存在感を十分すぎるほど発揮してくれます。そして、彼を引き立たせるケンツの演技もすばらしい。もう彼も単なるトラブルメーカーではなく、人を思いやる心を持つ元気な少年になったのですね。そんなケンツの優しさを感じとったからこそ、ジミーはハーモニカをケンツに渡したのでしょう…おそらくはもうすぐ別れの来ることを予感しながら。地球軍が来て、(そんなジミーの思いに気づかない)ケンツがハーモニカを吹きながらジミーと手を取り合うシーンは、涙無しには見られません。 誕生パーティーのシーンでは、子供たちが自分の役割をきちんと心得て動いてくれるので、見ている方も安心できます。ケンツに呼ばれて迷っているジミーを見て、素早くケーキにロウソクを追加するクレアや、3人でロウソクを「吹き飛ばした」後、真っ先に拍手を始めるカチュアなど、細かな演出が子供たちの個性(と微妙な感情)を上手くくみ出しています。パーティーの席上でのルチーナのおしゃまな挨拶も愉快(その合間にジミーがつまみ食いをするのも良い)ですが、それを聞いて喜ぶマルロにバーツがちょっかいを掛けるのが楽しい。普段はルチーナに押されっぱなしのマルロですが、戦闘中はルチーナを守ろうと彼なりに一所懸命になる所は、毎度のことながら健気でいいですね。それから、最後の場面できちんとジミーにお礼を言うルチーナにも拍手。 カチュアの悩みは、ますます深くなる一方です。ロディからあれほど強く地球行きを勧められても、まだ彼女には決心がつきません。そんな彼女の姿が、いくつかの場面で細かに描かれています。 当時から指摘されていたように、さすがにこの頃になるとかなり作画のレベルが落ちてきます(とにかくスタッフを取り巻く状況が悪かった)。今回でも戦闘シーンなどはかなり荒い描写が目立っています。そんな状況の中でも、2隻の宇宙船が逆噴射をかけながら接近を試みるという緻密な描写を続けるあたりは、まだ衰えないスタッフの熱意を感じさせてくれます。 |
