「あずきちゃん」第5話
ドキドキ!
勇之助くんが家に来る?
| 脚本 | 雪室俊一 | 絵コンテ | 浅香守生 |
| 演出 | 佐々木和弘 | 作画監督 | 河内日出夫 |
| あずき | 勇之助 | ヨーコ | ケン | まこと | だいず |
| ☆ | ◇ | ◇ | ☆ | NA | ◇ |
| ジダマ | かおる | トモちゃん | 多胡先生 | あずき母 | あずき父 |
| ◎ | ◎ | NA | NA | ◇ | ◇ |
| キャラ | 声優 | キャラ | 声優 |
| (かおる母) | (佐久間レイ) | ||
| アイキャッチ | あずき | 髪飾り | 橙色 |
| 学校行事 | 特になし | 教室の習字 | 青空 |
| 給食主菜 | なし | 満塁軒 | なし |
| 交換日記 | なし | ユイ | 登場せず |
| 次回予告 | (特になし) | ||
| だいずがもらってきたボロボロのグローブに「ゆうのすけ」と書いてあるのを見つけ、驚くあずき。グローブをくれたお兄ちゃんにあさって野球を教えてもらうだいずに、あずきはそのお兄ちゃんを家に連れてくるようにと話した。 当日、だいずが家に連れてきたのは、なんとケンだった。ショックであずきは不機嫌になってしまう。 翌日もケンはあずきの家に来ていた。ケンとだいずが野球の練習に行ったあと、かおるとジダマがあずきの家にやって来た。ところが程なくケンたちが戻って来てしまい、あずきはかおるに見つかったらと焦ってしまうが、機転を利かせて上手くかおるの恋のお手伝いをすることができた。 その夜、勇之助からグローブの件で電話がかかってきた。飛び跳ねて喜ぶあずき。 |
| 今回、初めて原作にないオリジナルストーリーが登場します。この記念すべき回、キャスティングにぜひご注目いただきたいと思います。上のキャスト欄をご覧いただければ、ゲストキャラはおろか、まことや多胡先生といったキャラクターも登場せず、わずか9名で物語が進行していることが分かります。勇之助との恋、そして家族の絆、友達との触れ合い、という3つの主要テーマを描くのに必要最小限なキャストだけを登場させて、いわばもっともコンパクトな形で作品の姿を提示しようとしたスタッフの意気込みを、ここから感じ取れるような気がします。それほどまでに、「初のオリジナルストーリー」というのは作品にとって重要なイベントであり、スタッフはこの作品の将来をこの回の評価に託したに違いありません。果たして、個人的にはこの回は見事にその役目を果たしたのではないかと思います。 お話の本筋そのものはごく他愛ないもので、ことさら筆を加える必要はないでしょう。でも、(これからもこの言葉は何度も登場するのですが)それをきちんと描けることがこの作品の魅力です。オリジナルストーリーの最初をこうしたごく平凡な日常描写に費やしたところが、この作品の真骨頂です。すばらしい。 数々の早とちりをしてのけたあずきですが、それでもかおるを思っての懸命の努力のご褒美なのか、最後に勇之助から電話をもらい、有頂天になります。このシーンでのあずきの喜びを素直によかったねと思える人が、きっとこの作品のファンなのでしょう。 この回の巧みな隠し味となっているのが、あずきの母です。最初はあずきの言葉に不審がりながら美容室に行ったりしました(初登場のかおる母との会話が、いかにも主婦らしくて秀逸でした)が、あずきにとっての一大イベントを知り、おそらく自分の子供の頃を思い出して、そっと気を利かせてあげています。彼女はこの時点では、まだ勇之助があずきの思い人とは知らないのです--むしろ幼なじみのケンちゃんを意識していると思っています--が、初めての男の子からの電話に喜ぶあずきの姿に、きっと何かを感じ取ったことでしょう。 |
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