「あずきちゃん」第9話
大募集?
かたおもい友の会
| 脚本 | 雪室俊一 | 絵コンテ | 坂田純一 |
| 演出 | 坂田純一 | 作画監督 | 君塚勝教 |
| あずき | 勇之助 | ヨーコ | ケン | まこと | だいず |
| ☆ | ☆ | ◇ | ◎ | ◇ | ◇ |
| ジダマ | かおる | トモちゃん | 多胡先生 | あずき母 | あずき父 |
| ◇ | ◎ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ |
| キャラ | 声優 | キャラ | 声優 |
| アイキャッチ | あずき | 髪飾り | 橙色 |
| 学校行事 | 特になし | 教室の習字 | 未来 |
| 給食主菜 | なし | 満塁軒 | なし |
| 交換日記 | なし | ユイ | 会話のみ |
| 次回予告 | (特になし) | ||
| 学校の帰り道の会話がきっかけで、あずき・かおる・トモちゃんの3人は「かたおもい友の会」を結成して、お互いの恋の進展を助け合うことにした。その略称「KTK」をだいずから誤って教わり、自分のイニシャルと勘違いしたケンは、翌朝あずきの靴箱に、4時にタコ公園で待っていると手紙を入れた。それを読んだあずきは驚くが、機転を利かせる。果たして4時にケンの前に現れたのはかおるだった。驚くケンだが、それでもかおると本屋に向かった。何だかいいムードの二人を、あずきは少し羨んだ。ところが、翌日の下校時、勇之助があずきに一緒に帰ろうと誘った。みんなの冷やかしにも動じない勇之助に、あずきは彼の性格を見る。タコ公園で二人の会話が弾むのを、あずきは夢心地で喜んでいた。 (原作第10話に相当) |
| 今回のメインイベントは二つ、KTKの結成と、あずきと勇之助が親しく話したということです。後者のエピソードは原作に則ったものですが、KTKはアニメ版オリジナルのイベントです。かおるとトモちゃんの恋物語も物語に絡ませるため、スタッフは心憎い仕掛けを用意したものです。 小学校高学年といえば、男女問わず「ギャングエイジ」と呼ばれる年代です。つまり、何か共通の話題や関心事などをきっかけに、一種の徒党…子供らしく言えば「仲良しグループ」を作って、グループ内で緊密な時間を過ごす傾向が強くなります。でも、男どものグループの中身とは違い、女の子は「片思いが両思いになれるように」というすごい野望、もとい目的を持ってグループを作るんですね。本当かいな、と疑いたい場所なのですが。どうやら多くの女の子には多少なりとも経験や願望があったようでして、こんなところに男女の差が出てくるんだな、とつくづく感心しました。 前半は、この会が早速機能するという実に調子のいいエピソードが続きます。あずきのとっさのひらめきに見事に引っ掛かったケンちゃんは、それでも男らしく、自分の間違い(ではないんですが)の責任を取ります。彼は靴箱を間違えたからかおるとつき合う羽目になった、と一生思い続けることでしょう。かおるちゃんにも真相は明かされないままです。恋のキューピッド役となったあずきの働きぶりを、素直に褒めたいと思います。そんな女に惚れていた普通の男の子ケンちゃんには、最初から勝ち目なんてなかったんですよ。 そのあずきに、本物のキューピッドが少しだけ味方してくれたのかもしれません。タコ公園で少しずつ話題が弾むあずきと勇之助の姿は実に自然で、私達もつい会話に引き込まれてしまいます。その喜びではちきれんばかりのあずきの表情がとても眩しく、素敵に見えます。勇之助があずきを誘って以降、アニメは漫画版とほとんど同じ情景を描いているだけなのですが、漫画・アニメのどちらにも捨てがたい魅力があふれています。作品の方向を決定付ける、重要な場面の一つでしょう。 夕方になり、二人は多胡先生に怒られてようやく腰を上げますが、なぜかさよならを言うのがもったいない…。そんな心理描写をあの単純な絵柄で鮮やかにやってのけてしまう。これが作品の力であり、演出なのでしょう。ちょっぴりおセンチなあずきを軽やかにブレイクする勇之助の「まったなー!」にも拍手喝采なのです。そう、これも原作に基づいたシーンですね。 今回、ヨーコは目立たないながらも大きなインパクトを与えてくれます。今回高らかに宣言された、あずきたちに比べて明らかに「オトナ」の色香を漂わせている(つもりの)彼女の所作は、今後の物語に様々なアクセントをつけてくれます。そして、お話全体を通じて、男子の無邪気さがそれとなく強調されていたことも、ぜひ心に留めておいてください。 |
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