「あずきちゃん」第10話
ないしょ!
ユーノスケくんはカタツムリ?
| 脚本 | 雪室俊一 | 絵コンテ | 桜井弘明 |
| 演出 | 桜井弘明 | 作画監督 | 金子紀男 |
| あずき | 勇之助 | ヨーコ | ケン | まこと | だいず |
| ☆ | ☆ | ◎ | ◇ | ◇ | ◇ |
| ジダマ | かおる | トモちゃん | 多胡先生 | あずき母 | あずき父 |
| ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ |
| キャラ | 声優 | キャラ | 声優 |
| アイキャッチ | あずき | 髪飾り | 橙色 |
| 学校行事 | 特になし | 教室の習字 | 五月雨 |
| 給食主菜 | なし | 満塁軒 | なし |
| 交換日記 | なし | ユイ | ◎行方不明に |
| 次回予告 | (特になし) | ||
| だいずが見つけてきたカタツムリに「ゆうのすけ」なんて名前をつけたものだから、あずきはすっかりご立腹。勇之助にこの事を知られたら嫌われるのでは、と気が気ではない。翌日、勇之助とヨーコがなにやら真剣に話し込んでいるのを見て、あずきはますます心配になる。実は、勇之助の飼い犬ユイが行方不明になって、二人で探す相談をしていたのだ。事情を知ったあずきだが、ヨーコの方が頼りになるのかと気になった。翌日、仮病を使って保健室で休んでいたまことが、変な音を聞いたと訴えた。その話に反応したあずきの提案で保健室の床下を探すと、ユイが見つかった。勇之助から感謝され、あずきはちょっぴり嬉しかった。 |
| よくよく考えると、今回のお話、カタツムリが出てくる必然性はどこにもないんですよね。それに、物語を左右するようなイベント・エピソードは全く登場しません。勇之助の飼い犬がいなくなり、あずきの機転で見つかった、だいずのトラブルメーカーぶりが分かるようになった、ただそれだけのお話です。それがいったいどうしたの? そう、そこが大事なんでしょう。 ここまでの9回分のエピソードは、当事者はもちろん、第三者である私達からみても極めて重大で、作品全体を規定する重要なものばかりです。でも、毎日の暮らしって、一目惚れしたとか誕生パーティーとか遠足とか、そんな特別な事件ばかりではないでしょう。むしろ、大局的にはなんにもない、ごく普通の一日が流れている方が遥かに多いと思いませんか。今回描かれているのは、そんな「普通の日」の範疇に入る事件なのです。意外なことに、この作品でこうした普通の日の普通のエピソードが登場するのは、今回が始めてなのです。そこをどう描くか、スタッフの苦心が見え隠れしているように感じます。 あずきの推理があまり働きすぎると、作品の味わいがたちまち狂ってしまいます。そこで登場するのがまことの悪い癖(笑)。そこにトモちゃんを絡めることで物語は新たな輝きを見つけます。拡声器でまことを起こす多胡先生も、いかにもという感じで微笑ましいですね。 そして、床下にいるユイの捜索に一肌脱ぐケンちゃんの活躍も楽しい。あずきと勇之助の関係は、さすがにケンにも明らかなので、彼にもいろいろと思うところがあるはずです。一方でかおるのこともあるし…。でも、今回はそんなことをおくびにも出さず、きちんと男の子らしい態度で勇之助との友情を全うしてくれます。 ヨーコも彼女なりに考えて勇之助のお手伝いをしていました。ただ、ちょっと魂胆見え見えなのが困り者ですが、それがなくなったらヨーコらしく、いや、大人びた子供らしくないですよね。ヨーコが美術面でも才能豊かであるという設定は、今後も幾度か登場することになります。あのイラストに記載の電話番号が作品制作スタジオのものだったとは、全く知りませんでした。 今回、仲良し3人組としての活躍はほとんどありませんでした。これも今回の隠れた特徴です。その代わりというわけでもないでしょうが、かおるが見事なボケをかましてくれます…「おおただしんぞう」って、いったい誰のことやねん(笑)。 |
|
|
|  |
