「あずきちゃん」第14話
オネガイ!
七夕に願いをこめて
| 脚本 | 雪室俊一 | 絵コンテ | 青山弘 |
| 演出 | 古川政美 | 作画監督 | 金子紀男 |
| あずき | 勇之助 | ヨーコ | ケン | まこと | だいず |
| ☆ | ☆ | ◇ | ◎ | ◇ | ◎ |
| ジダマ | かおる | トモちゃん | 多胡先生 | あずき母 | あずき父 |
| ◇ | ◇ | △ | ◇ | ◇ | ◇ |
| キャラ | 声優 | キャラ | 声優 |
| アイキャッチ | あずき | 髪飾り | 橙色 |
| 学校行事 | 特になし | 教室の習字 | 朝顔 |
| 給食主菜 | なし | 満塁軒 | なし |
| 交換日記 | なし | ユイ | 登場せず |
| 次回予告 | (特になし) | ||
| だいずが七夕飾りをあずきの部屋に飾った。嫌がるあずきだったが、思い直して自分も「勇之助くんともっともっと仲良くなれますように」と短冊に書いて飾った。翌朝あずきはその短冊をしまい忘れてしまった。しかも、体育のマラソンで家の前を通ることになり、あずきは気が気ではない。ところが、肝心の七夕飾りが行方不明になってしまい、野山家は大騒ぎに。その話を聞いた勇之助とケンは、驚かそうとそれぞれ七夕飾りを作って野山家までやって来たが、勇之助が偶然に野山家の七夕飾りを見つけ、それをもとの場所に戻した。いつの間にか七夕飾りが戻ってきて驚き喜ぶあずきの家族。あずきは自分の短冊の裏に勇之助の返事があるのを見つけ、すっかり嬉しくなった。 |
| この作品が素敵だなと感じる理由の一つに、年中行事を丹念に描いていることが挙げられます。知ってはいるが以外とする機会がない季節の行事を、みなみ町の人達は(都会住まいにもかかわらず)大切に守っています。私はそこに舞台の優しさを私は感じるのです。 七夕ですが、確かに大きくなると笹飾りなんてしなくなりますね。そもそも都会では笹を見つけることすら至難の業。それをちゃんと買ってきてだいずに飾らせてあげる野山家って、なんていい家族なんでしょう。あずきもいったんは反発しますが、夜空を見上げて自分も七夕を飾ろうと思います。とっても素直でいいですね。短冊に書く願い事も、その夜の夢(ついでにケンとまことが邪魔をするの)も、恋する女の子らしくて微笑ましいです。 そんなあずきの家族を「夢のある行事はいいよな」と素直に感じる勇之助がいい。ジダマじゃありませんが、まさに「話せる」男の子です。勇之助は初めてジダマに褒められたと茶化していますが、ジダマの気持ち、私にはよく分かります。 ところが、いろいろあったあげく野山家の七夕飾りがなくなったことが分かり、物語は大きく動きます。あずきを驚かそうと思って勇之助が、だいずがかわいそうだという名目でケンが、それぞれわざわざ他人の家に飾るために七夕飾りを作ってきます。すばらしい。こういうエピソードって夢に溢れていて、私はとても弱いのです。こんな二人から好かれているあずきちゃん、君はとんでもない幸せ者だよ。 思えば、この二人があずきを意識して明確なライバル関係になるのは、今回が最初です。どちらの飾りをあずきの部屋のベランダに飾るのかを巡ってのじゃんけんは意外にもケンが勝ち、私たちはあれれと思うのですが、ここに今回の仕掛けがあります。作業の途中、勇之助が野山家の飾りを見つけたので、それをもとの場所に戻す名誉は勇之助のものです。やがて七夕飾りが戻ってきたと喜ぶあずきたちを「盗塁成功」と言って素直に喜ぶケンの姿に、私は感心しました。 ところで、作業中にある短冊が勇之助の目に留まり…という場面は描かれません。だからこそ、ラストシーンでのあずきの驚きと喜びを、私達も一緒に感じることができるのですね。勇之助の心遣いが、あずきを、そして私達を幸せで満たしてくれた、名場面だと思います。 勇之助に敗れたケンなのですが、七夕飾りの製作をかおるに外注するところがなんというか…。そこでおねしょのことがかおるにばれて、さらに翌日まことにその短冊を見られてしまうのは、運が悪いというよりも自業自得ですね。自分の思いを表現するのに他人任せではダメ、という教訓を身をもって示してくれました。で、そんなケンを「カレ」と呼ぶかおるちゃんって…。ジダマが固まるのも無理ないか(笑)。 |
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