「あずきちゃん」第15話
始まり◆
愛の交換日記
| 脚本 | 雪室俊一 | 絵コンテ | 小島正幸 |
| 演出 | 田中洋之 | 作画監督 | 君塚勝教 |
| あずき | 勇之助 | ヨーコ | ケン | まこと | だいず |
| ☆ | ☆ | ◇ | ◇ | ◎ | ◇ |
| ジダマ | かおる | トモちゃん | 多胡先生 | あずき母 | あずき父 |
| ◎ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ |
| キャラ | 声優 | キャラ | 声優 |
| アイキャッチ | あずき | 髪飾り | 橙色 |
| 学校行事 | 特になし | 教室の習字 | 希望 |
| 給食主菜 | なし | 満塁軒 | なし |
| 交換日記 | 交換日記開始。1冊目のノートを買う。まことが悪戯。(まこと→あずき)勇之助→あずき→勇之助→あずき | ユイ | ホテルに宿泊(会話のみ) |
| 次回予告 | もう、緊張しちゃうよ | ||
| もうすぐ夏休み。父が仙台のおばさんの家に行く新幹線の切符を買ってきたが、あずきは勇之助と離れ離れになるのが心配。しかも、勇之助とヨーコは家族同士で伊豆に行くと聞いて、ますます不安に。一緒にはならないと勇之助は教えるが、勇之助のことをもっと知りたいというあずきに、勇之助は交換日記を始めようと提案した。大喜びのあずき。翌日、勇之助からの日記に「お金を貸してほしい」と書いてあったので、あずきはびっくり。悩んだあげくにお金をノートに挟んで勇之助の机の中に入れた。ところが、翌日勇之助はそんなことは書いていないとあずきに告げた。結局、悪戯の犯人はまことだった。数日後、みんなの前で交換日記を渡されたあずきは、少々複雑な気分だった。 (原作第12話に相当) (タイトルの「◆」は「ハートマーク」) |
| 先の第12話で描かれなかった重要なイベントが、今回のテーマです。原作ではわずか16ページの間にはめ込まれた物語が、アニメではなぜ2回にわけて描かれたのかよく考えることで、この作品の構成が理解できるかもしれません。 この時点では、アニメはあと24話程度制作されることが決まっていました(実際には100話以上続くのですが、それが決まるのはまだ先の話です)。その長丁場の土台をしっかりと固めるために、まずは恋する一人の女性としてのあずきをしっかりと描き込む必要がありました。だから最初に恋の一面である「ジェラシー」をあずきがしっかりと認識する、というエピソードが登場します。それが物語になじんでから、恋の進展を伺わせる交換日記を物語に登場させることで、この後の物語の屋台骨を形作ろうとしたのではないでしょうか。交換日記なんて私にはとんと縁がないものですが、今でもやってるんでしょうか。いや、きっと女の子の憧れなんでしょうね。それをこのタイミングで描くというのは、演出上の綿密な意図があってのことでしょう。 とはいえ、原作ではわずか2ページ半のエピソードなので、これを25分のアニメに拡大するために、制作スタッフはかなり物語を膨らませています。いや、暴走させていると言った方がいいでしょう。いくらまことがしょうもない所に頭が回るといっても、お金を取ろうと偽物の交換日記を作ってしまうのはいただけません。さすがにこのあたりはスタッフも気を回していて、悪事がばれたまことはジダマたちにこてんぱんにやられてしまいます。これからもまことはトラブルメーカー役を続けるのですが、ここまで悪いことはさすがにしなくなるようです。でも、このまことの悪行が後のお話への思わぬ伏線になっていることにも、ちょっと注目しておいてください。 ところで、その偽物の日記の中身「お金を貸して」を好意的に解釈するかおるちゃんというキャラクターも、なんかすごいですね。ここまで全面的に信頼されてしまうと、男って弱いものです。なぁ、ケンちゃんよ。 交換日記は二人だけの秘密だから楽しいもの、というあずきの気持ちはよく理解できます。だから、それを人前で堂々と渡されてしまうと、ちょっと妙な気分になるものです。でも、そんな勇之助のあっけらかんとしたところも魅力のうちなんです。彼のそんな一面が、この時期の作品に繰り返し描かれています。ここにも後のお話への重要な伏線が張られているようです。 さて、野山家ではあずきの不自然な行動がだんだん目に付くようになってきました。仙台のおばさんの家に行くのが不満げなあずきに何が起こったのか、この時点では真相を誰も知らないのですが… |
|
|
|  |
