「あずきちゃん」第21話
ドッキリ!
恐くてうれしい林間学校
| 脚本 | 雪室俊一 | 絵コンテ | 坂田純一 |
| 演出 | 坂田純一 | 作画監督 | 君塚勝教 |
| あずき | 勇之助 | ヨーコ | ケン | まこと | だいず |
| ☆ | ☆ | ◇ | ◇ | ◎ | ◇ |
| ジダマ | かおる | トモちゃん | 多胡先生 | あずき母 | あずき父 |
| ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ |
| キャラ | 声優 | キャラ | 声優 |
| (△ヨーコママ) | |||
| アイキャッチ | かおる | 髪飾り | 橙色 |
| 学校行事 | 林間学校 | 教室の習字 | (なし) |
| 給食主菜 | なし | 満塁軒 | なし |
| 交換日記 | なし | ユイ | 登場せず |
| 次回予告 | もう、知らない! | ||
| 林間学校が近づいてきた。あずきとかおるは恥ずかしい寝言を言わないかと心配でならない。当日、海辺の宿坊に着いた子供たちは早速海岸で遊んだ。そのさなか、派手な水着のヨーコが登場して、女の子たちは複雑な気分。夕食後、肝試しが行われた。まこととペアになったあずきは、まことの度が過ぎた怖じ気ぶりに振り回されてしまう。結局まことは仕掛けに驚いて気絶してしまい、あずきは成り行きで勇之助とペアを組むことになった。帰り道、苦手なトカゲの姿に驚いた勇之助の声に、思わずあずきは勇之助に抱きついた。トカゲがいなくなっても、もう少しこうしていたいからと、あずきは勇之助に小さな嘘をつくのだった。 |
| 林間学校と言えば、大半の子供たちにとってはドキドキのビッグイベントでしょう。作品もこんな行事を逃すはずがなく、今回しっかり取り上げます。前回があずきと勇之助の関係を前景にしながら、実はケンの心情を描くという凝った舞台設定だったのを意識して、今回は比較的ストレートにあずきと勇之助の触れ合いを描いています。 物語そのものには、この場であれこれディティールを裏読みするような事項はほとんどありません。今回のようなエピソードは、あずきから勇之助への恋心の表現を純粋に楽しむのが一番ですね。まず最初にこの事を確認した上で、筆を進めます。 今回もっとも魅力的な場面は、やはりあずきと勇之助が二人で夜の道を歩くシークエンスでしょう。肝試しからの帰り道に広がる月の光に照らされた海原がとても美しく、私達もほっとします。そこにトカゲが乱入して、勇之助の悲鳴にあずきは思わず彼の胸に飛び込みます。あずきは行為の後に初めて自分の今の状況に気づいてドッキリするのですが、勇之助はそんなことを全然気にせず、ひたすらトカゲが去るのを待っています。そんな勇之助につい嘘をついてしまうあずき…「もう少しだけこうしていたかったから」というあずきの独白に大いに共感します。あずきの純な恋心とそれに気づかない勇之助、といういつもの光景がちょっぴりロマンチックに描かれた、すてきなシーンだと思います。 この肝試しのエピソードで誰と誰をペアにするか、スタッフはずいぶん考えたことでしょう。結果として見事すぎるキャスティングに感心する事しきりです。特に、かおるとケンのペアが秀逸。猪の声に驚いて寝たふりをしようとするケンに、「それって熊じゃないの?」と言いながらも結局嬉しそうに一緒に寝たふりをするかおるに、私は拍手喝采です。また、当初あずきとペアになったまことが、なんとか自分の失態を取り繕うと懸命に弁解してまわるシーンも楽しいですね。多胡先生がそれを正面から咎めるのではなく、みんなに笑いを誘う形でやんわりと釘を刺す場面が、私の秘かなおススメです。 今回ヨーコはドハデな水着で私達を楽しませて、もとい、驚かせてくれますが、この場面は意外と後に続きません。それは今回のお話が徹底して「子供の喜び」を追っているからであって、ヨーコの水着はそれを引き立たせるためのスパイスにすぎないからでしょう。あずきたち女の子が気にするほど、男の子はヨーコの水着なんて気にしないのです。 最後に、冒頭から繰り返し登場した寝言という小道具。このおかげで川の字になって眠れただいずの喜びよう(と父の貧乏籖)もよかったのですが、最後にあんなエピソードがくるとは予想していませんでした。ジダマで終わりかと思ったら、やっぱりまことか…。それにしても、どんな夢見てるんだ、アイツは(笑)。 |
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