「あずきちゃん」第25話
がんばって!
トモちゃんの初デート
| 脚本 | 雪室俊一 | 絵コンテ | 佐々木和宏 |
| 演出 | 佐々木和宏 | 作画監督 | 山田みちしろ |
| あずき | 勇之助 | ヨーコ | ケン | まこと | だいず |
| ◎ | ◇ | ◇ | ◇ | ☆ | ◇ |
| ジダマ | かおる | トモちゃん | 多胡先生 | あずき母 | あずき父 |
| ◇ | ◇ | ☆ | ◇ | ◇ | ◇ |
| キャラ | 声優 | キャラ | 声優 |
| 男子生徒 | 東さおり | (かおるママ) | (佐久間レイ) |
| (△まこと実母) | (眼鏡屋店員) | (???) | |
| アイキャッチ | かおる | 髪飾り | 橙色 |
| 学校行事 | 特になし | 教室の習字 | 友情 |
| 給食主菜 | なし | 満塁軒 | 野山家に出前(ラーメン4) |
| 交換日記 | なし | ユイ | 勇之助と散歩 |
| 次回予告 | 勇之助くん、絶対に来てよね! | ||
| トモちゃんが髪型を変えたいと西野美容室にやって来た。まこととの仲が進まないのは自分が地味だからだと言うトモちゃんの姿に、あずきたちはちょっぴり反省する。ある日、まことが日曜日に眼鏡を買いに行くのにつきあってとトモちゃんを誘った。あずきたちはトモちゃんに衣装などをアドバイスしてあげた。日曜日、まこととトモちゃんは横浜の眼鏡屋まで出かけた。トモちゃんはどうしてまことが横浜の店を知っているのか不思議がるが、二人が立ち寄ったホテルのフロントの女性がまことの実の母だと聞いてびっくり。まことの両親は離婚したのだが、彼はときどき実母の顔を見に来ていたのだった。普段とは異なるまことの一面を知ったトモちゃんは、まことへの思いを一層強くするのだった。 |
| アニメ版オリジナルのエピソードであるKTK(片思い友の会)がもう一度表舞台に立つのが、今回のお話です。あずきとかおるはいつの間にかお相手といい雰囲気になったのに、発案者のトモちゃんには進展がありません。今までの物語はこの部分に触れることを巧みに避けてきましたが、トモちゃんも恋する小学5年生、ずいぶん気にしていたんですね。私なんかには想像もできないことですが、女の子にとって恋することがどれだけ大切なことか、このお話を見ればよく分かります。 でも、頭がいい子には存外そんな一面もあるかもしれません。本人の性格もありますが、それ以上に周りから「頭がいい」「まじめ」「地味」とレッテルを貼られてしまうと、それに束縛されてしまうもの。そうじゃないのと言いたいけど、それを言い出すこともできない。そんなトモちゃんの悩みを、KTKのメンバーは気づいてあげられませんでした。「そういうのって、男の子がいちばん嫌なタイプでしょ」とトモちゃんから正面切って言われると、あずきたちは一瞬声を失ってしまいます。 ところが事態は急転直下。意外にもまことから誘いを受けて喜ぶトモちゃんに、あずきたちもできる限りの協力を惜しみません。かくして、いつもと違う装いのトモちゃんと相変わらずのんびりしたまことで、バスに乗っていざ出発! しかし、まことが横浜に行こうと言い出してから、物語は思わぬ方向に動き始めます。まことが見せるもう一人の「まこと」の姿は、これまでの物語からの私たちの予想を大きく超えるものがあります。他人から見られることのない場所で彼は本来の輝きを見せてくれます。彼がそれを見せてもかまわないと考えた相手が、トモちゃんなのです。まことは彼なりに、自分にガールフレンドができたことを実母に知らせに来たのでした(一瞬だけ登場するまことの実母に、私は拍手喝采です)。 トモちゃんがそれに気づかないはずはありません。でも、その事を彼女は誰にも打ち明けませんでした。彼女はそんなことをする人じゃないからです。自分のそんな部分をまことが好いていることを知って、トモちゃんはどれほど嬉しかったことでしょう。まじめで頭が良くて、地味で…そういう女の子ならではの輝きは、衣装や髪型なんかでは決して生み出せないものがあります。今回のお話はそれをうまく描いた好エピソードだと思います。トモちゃんの「変身願望」はこれからも幾度か作品で登場しますが、今回のおはなしがそれらをうまく支えていることを、ぜひ思い出していただきたいと思います。 今回のトモちゃんのすてきな笑顔の前には、他のキャラはちょっと影が薄くなるのですが、その中で勇之助は大人びた一面を見せてくれます。彼が時折見せる優れた人間観察力はすごいですね。どうしてこんな男が天然ボケなんだろう。謎だ。そしてかおるママの名演にも拍手です。 |
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