「あずきちゃん」第31話
涙のヒロイン!
ガラスの靴は誰のもの
| 脚本 | 雪室俊一 | 絵コンテ | 佐々木和宏 |
| 演出 | 佐々木和宏 | 作画監督 | 山田みちしろ |
| あずき | 勇之助 | ヨーコ | ケン | まこと | だいず |
| ☆ | ◎ | ☆ | ◇ | ◆ | ◇ |
| ジダマ | かおる | トモちゃん | 多胡先生 | あずき母 | あずき父 |
| ◎ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ |
| キャラ | 声優 | キャラ | 声優 |
| アイキャッチ | かおる | 髪飾り | 橙色/赤 |
| 学校行事 | 芸術発表会 | 教室の習字 | 故郷 |
| 給食主菜 | なし | 満塁軒 | なし |
| 交換日記 | なし | ユイ | 登場せず |
| 次回予告 | いったい誰なの!? もう! | ||
| 秋の芸術発表会であずきたちのクラスは劇をすることになった。ヨーコが「白雪姫はシンデレラだった」という台本を書いてきた。シンデレラ役をヨーコから指名されたあずきは、ついにヨーコが自分と勇之助の仲を認めてくれたと感激する。ところが、その劇ではあずきのシンデレラが綺麗になってヨーコの白雪姫になるという設定だった。勇之助と踊りたいがために勝手に台本を変えるヨーコに、クラスメートも辟易していた。発表会当日、まことが怪我で倒れてしまい、成り行きでヨーコはまことの代役に。そのおかげであずきのシンデレラは舞踏会で勇之助の王子様と踊ることができた。その後舞台は勇之助がまことに王子役を譲ったことから大混乱。でも、客席からは大喝采を浴びたのだった。 |
| 前回、出番はあれど物語にはほとんど関与しなかったヨーコが、今回パワーを爆発させます。恋に燃える女の執念恐るべし(笑)。あずきより私の方が美人なのよと舞台で主張するために、学校を休んでまで台本を書き上げる根性には、さすがとしか言葉がありません。 その企てにあずきは敏感に反応するのですが、勇之助はやはり今回も鈍感です。その勇之助が「(エステの広告で)きれいになる前の写真」役はいやだと言い張るあずきに、いっしょに踊りたいと言って本当に二人でステップを踏むシーンに、私は驚きました。勇之助があずきへの愛情を直接話法的な態度で表現したのは、実はこのシーンが初めてなのです。彼にとってもあずきと踊ることが楽しみ。だから彼は、練習の最中にあずきを押しのけてヨーコ白雪姫が勇之助とダンスを踊るように台本を変えたとき、あんなにふてくされた表情をしたのです。 この2人の言動にあずきの気持ちは翻弄されます。ヨーコにシンデレラ役を指名されて有頂天になったのも束の間、かおるに台本の真相を知らされ愕然となります。翌朝の通学路で勇之助にうまく乗せられてしまったかと思うと、ヨーコに勇之助と踊る場面をさらわれてしまいます。それでもあずきがシンデレラ役を降りなかったのは、クラスへの責任感以上に「勇之助君の王子様姿を見たい」から、というのがなんともいじらしい。 そして舞台当日、運命の女神の悪戯で、舞踏会の場面で勇之助の相手をしたのはあずきのシンデレラでした。ジダマやかおるが、二人が踊るのはこれが始めてなのに息がぴったり合っていると感心しますが、そりゃそうでしょう。その様子を見るヨーコは、自分の方がうまく踊れるのに、とほぞを噛みますが、白雪姫は最後に勇之助王子と…という場面がまだ残っています。 ところが、そのクライマックスに登場したのはまこと王子でした。楽しみを奪われ役を忘れて怒り狂うヨーコシンデレラ。まこと王子はジダマ魔女の用意した毒林檎を食べてしまい大騒ぎ。そのショックでヨーコは今度は本当に気を失ってしまい、慌てた多胡先生が舞台に駆け上がる…。そう、今回の後半は、サブキャラの役柄が劇中劇全体に見事にはまっていて、見事な構成でした。これらを全て紹介するには、字数がいくらあっても足りません。 その中でも、あずきの家族の描写は見事でした。娘(と息子)の活躍に期待いっぱいの両親の言動は、簡潔な描写ながら幸せいっぱいで、見ている側も嬉しくなります。あずき母のピンクのワンピースが、小学校を訪れる母親の姿として実にリアルですね。そしてもう一人、あずきに魔法を授けるトモちゃん。このキャスティングに私は酔いしれました。きっと彼女の考案(だから「目を開けてはダメですよ」と暗に私達に言うのです)で早変わりに成功したあずきの晴れ姿は、両親ならずとも見とれてしまいます。個人的には、だいずの「ヘンゼル」も観たかったのですが… |
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