「あずきちゃん」第49話
カンゲキ!!
調子はずれの愛のメロディー
| 脚本 | 雪室俊一 | 絵コンテ | 坂田純一 |
| 演出 | 坂田純一 | 作画監督 | 春日井浩之 |
| あずき | 勇之助 | ヨーコ | ケン | まこと | だいず |
| ☆ | ☆ | ◎ | ◇ | ◇ | ◇ |
| ジダマ | かおる | トモちゃん | 多胡先生 | あずき母 | あずき父 |
| ◇ | ◇ | △ | NA | ◇ | ◇ |
| キャラ | 声優 | キャラ | 声優 |
| 香月先生 | 篠原恵美 | 勇之助の母 | 藤本かをる |
| ◎リコーダー | 吉沢実 | ||
| アイキャッチ | あずき | 髪飾り | 橙(ピンクビーズ) |
| 学校行事 | 特になし | 教室の習字 | 技術 |
| 給食主菜 | なし | 満塁軒 | なし |
| 交換日記 | なし | ユイ | 登場せず |
| 次回予告 | …ちょっと、心細いな。 | ||
| 来週から音楽の授業でリコーダーが始まることになり、リコーダーが苦手なあずきは憂鬱。ケンのちょっかいでリコーダーが上手いと勇之助に信じ込まれてしまい、さらに困ってしまう。あずきは家で練習するが上手に吹けない。学校にリコーダーを持ってきたあずきは、ケンとヨーコに勇之助の前で演奏するよう迫られ、恥ずかしさのあまり飛び出してしまう。事情を知った勇之助は、自分の家でいっしょに練習しようとあずきを誘う。ところが、あずきが勇之助の家に行くと、そこにヨーコが押しかけてきた。ヨーコと勇之助の息のあった二重奏にいたたまれなくなり、あずきは練習もせずに家に帰った。その夜、勇之助から電話があり、二人は翌朝タコ公園で練習をすることになった。 |
| 何を隠そう、私はこの回を見て「あずきちゃん」にのめり込んでしまいました。だって、私の大好きな楽器リコーダーが、こんな形で物語に関わるなんて、実にすばらしい! この回のリコーダーについて話すとこのページだけではとても収まらないので、まず本題を先に進めましょう。 誰にだって苦手なものはありますが、女子にとって音楽や図工といった美術系科目で苦手ということは、とても辛いことだそうです。ましてや、勇之助にリコーダーがうまいと誤解されてしまったあずきの気持ち、超運チだった私にはとりわけ身近に思えます…周りはそれほど気にしていないことが多いのですが、当の本人にとっては深刻な問題なのです。 ここから、なんとか1週間で上手になろうと懸命に練習を重ねるあずきの姿が、とても微笑ましい。勇之助と同じリコーダーなら上手くなれるかもしれないと思ったりするあたり、涙ぐましいぐらい(ここであずき父が絡むのが楽しいですね)。ケンやヨーコのちょっかいであずきの心はたびたび大きく揺れ動きますが、今回は要所で勇之助があずきをきっちりサポートして、ラストシーンまで爽やかな物語が続きます。屋上であずきの話にじっと耳を傾ける勇之助の表情は、とても5年生には見えない包容力にあふれていて、普段の彼とは大違いです。でも、勇之助ならこんな表情をしてもおかしくない、と私達はいつの間にか納得してしまうのは、作品全体の力ですね。 今回はヨーコのちょっかいが抜群に冴えていたのも見逃せません。自分の所行が結果としてあずきと勇之助の仲を深めることになり、屋上のドアの陰からその様子を覗き見しながら嫉妬に拳を震わせる姿なんか、もう絶品ですね。その後堂々と勇之助の家に押しかけて、あずきに勇之助と同じリコーダーを見せつけて、勇之助に二重奏しようと誘う…小学生の恋の駆け引きって、こんなにも熾烈なものなんでしょうか(笑)。 ここでヨーコと勇之助の二重奏がちゃんと息が合っているという点が、今回のポイントです。しかもヨーコが上のパートという点がミソ。後のあずきとの二重奏でも同様ですが、勇之助を下のパートに持ってくることで、彼の人物像が音楽的にも的確に表現されてゆくあたり、巧みな演出の視点を感じます。 さて、今回のもう一方の主役であるリコーダーですが、二重奏の部分は全て吉沢実さんが演奏されています。EDテロップにも登場する破格の扱いですが、この方は日本を代表するリコーダー演奏家として世界的に有名で、当時はETVの音楽教育番組にも出演しておられました。演奏される「歩こう」も、原曲から調を変えることで、リコーダーの音色がより美しく響くよう工夫されています。これだけの準備があれば、勇之助達の演奏がとんでもなく上手いのも納得するわけですが…。あ、本当にもうスペースがない! この話はまたいずれ。とにかく「合身メカ」に幸せあれ! |
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