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「あずきちゃん」第56話

ライバル!?
七夕さまは超イジワル


主要スタッフ
脚本雪室俊一絵コンテ奥田誠治
演出大崎正作画監督飯村一夫

主要キャラ動向
あずき勇之助ヨーコケンまことだいず
☆☆◇◇◇◇
ジダマかおるトモちゃん多胡先生あずき母あずき父
NANANANANANA

ゲストキャラ
キャラ声優キャラ声優
ヨーコの母松本梨香がらん堂小室正幸
◎仙台の伯父園部啓一◎仙台の伯母勝生真沙子
おばさん山口由里子アナウンス東さおり









定点観測
アイキャッチあずき髪飾り赤ビーズ、(橙)
学校行事特になし教室の習字(なし)
給食主菜なし満塁軒なし
交換日記なしユイ(勇之助と散歩)
次回予告え、おじいちゃんから電話!?



あらすじ
弟と一緒に仙台の伯母さんの家に行くことになったあずきは、伯父さんとの待ち合わせ場所の骨董品店で勇之助が欲しがっていた天体望遠鏡を見つけた。あずきの知らせを聞いた勇之助は、翌日ケンとまことを連れて仙台にやって来た。ところが、骨董品店には望遠鏡が見当たらず、留守番の人の話では昨日売れてしまったらしい。ショックで落ち込む勇之助の姿にあずきはいたたまれず、望遠鏡を探して仙台を駆け回るが、やはり見つからない。あずきと勇之助が二人で七夕飾りを見ていると、呼び出しがかかった。その主は伯父さんで、望遠鏡はこちらの家に届いたと教えてくれた。喜ぶ二人は早速伯母さんの家に向かった。食事もそっちのけで望遠鏡をのぞく勇之助に、あずきはちょっぴり嫉妬を覚えた。


ほうがんのこだわり
夏休み恒例(?)の仙台シリーズですが、今回はそこに勇之助の新たな一面の紹介が加わり、単純ながらもとても味わい深いエピソードになっています。
勇之助と言えばサッカーというのが相場なのですが、そこに天体観測が加わる事はちょっと予想外でした。でも、宇宙とか星といったテーマには、男の子なら誰でも一度は憧れるものです。ただ、そのために20万円の望遠鏡というのは、やっぱり裕福な家庭ならではの発想かもしれません。でも、その20万円にはちゃんと根拠があって、その望遠鏡を買うためならバイトだってどんどんやるぞというところに、勇之助の芯の強さがさりげなく表現されています。親に買ってもらうんじゃないところがいいのです。
その望遠鏡が1万円で手に入ると知ったら、勇之助だって冷静じゃいられないですよね。そんな彼の無邪気なまでの喜びようが電話の向こうから伝わってくるので、あずきまでも嬉しくなってしまいます。この夜の電話のシーンの二人の表情は、それを見守るおばさん夫婦(とだいず)も含めて、とてもいい雰囲気でした。
ところが、ここから物語は二転三転します。文字どおり運命のサイコロに翻弄される勇之助とあずき。せっかく仙台までやってきたのに、目的の望遠鏡がなくなってしまったと知ったときの勇之助のリアクションは、これまで見られなかったものです。初めて見る勇之助の落ち込んだ姿に、あずきはどれほど心を痛めたでしょう。ここからのあずきの行動は切なくていじらしくて、とても見ていられません。そう、誰にだって一度はある「私がこんなことをしちゃったから、あの人の夢を壊しちゃって…」という心の傷を、あずきは演じてくれているのです。
結局、がらん堂(骨董品店)の粋な計らいで望遠鏡を手に入れた勇之助は、早速星空を眺めるため夕暮れの牧場で陣取ります。声をかけても振り向いてもくれない勇之助に、あずきは少なからずショックを覚えます。勇之助に進められて覗いたレンズの向こうにある土星の輪も、あずきにはあまりきれいには思えませんでした。ついに望遠鏡にまでジェラシーを覚えるあずきは、運命のサイコロはここでもいたずら好きだと感じていたかもしれません。
でも、好きな物に熱中するのが男の子だという伯母さん夫婦の言葉は、勇之助にもぴったり当てはまったのです。ごく普通の男の子としての勇之助の魅力に、今回あずきは初めて気づきました。「私は勇之助くんの瞳の中に星を見ていた」と言う、ラストシーンのあずきの笑顔が、今回の全てなのだと思います。
この二人の物語の前には、ヨーコちゃんの活躍ぶりもちょっと影が薄かった感があります。お邪魔虫のケンとまことはともかく、あずきに「男の子」を教えてくれた叔母さん夫婦の優しさに、拍手を贈ります。あと、EDにヨーコママが初めてテロップされています…ジダマがお休みって珍しいですよね。


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