「あずきちゃん」第59話
夏休み!
最後を飾るプレゼント
| 脚本 | 雪室俊一 | 絵コンテ | 青山ひろし |
| 演出 | 青山ひろし | 作画監督 | 工藤柾輝 |
| あずき | 勇之助 | ヨーコ | ケン | まこと | だいず |
| ☆ | ☆ | NA | ◇ | ◎ | ◎ |
| ジダマ | かおる | トモちゃん | 多胡先生 | あずき母 | あずき父 |
| ◇ | ◇ | NA | NA | ◇ | ◇ |
| キャラ | 声優 | キャラ | 声優 |
| 駅係員 | 糸博 | 甘味処主人 | 鵜飼るみ子 |
| △野山剛造 | |||
| アイキャッチ | だいず | 髪飾り | 橙 |
| 学校行事 | 特になし | 教室の習字 | (なし) |
| 給食主菜 | なし | 満塁軒 | ジダマたちに出前(冷麺) |
| 交換日記 | なし | ユイ | 登場せず |
| 次回予告 | えぇ! ヨーコちゃんまで立候補するの!? | ||
| 8月も29日となり、夏休みも大詰め。女子3人はあずきの部屋に集まって宿題をしていた。そこに千住の祖父の家からだいずが帰ってきたが、宿題を都電に忘れてきたことに気づき、大騒ぎになる。仕方なくだいずを連れて都電の事務所に向かうあずきだが、忘れ物は届いていない。二人が困っているところに、自由研究で都電の事を調べていた勇之助とまことが偶然現れた。勇之助は忘れ物探しを手伝おうと、まことの助けも借りて、だいずと祖父の足取りを再現しはじめた。祖父の家のそばの甘味処で食事を再現していると、その様子を見ていた店のおばさんがだいずの忘れ物を出してくれた。帰り道立ち寄った遊園地の観覧車で、あずきは勇之助から1日早い誕生日のプレゼントをもらう。 |
| 私が今住む部屋を借りることにしたのは、近くに都電が走っているのが大きな理由になったほど、私にとって今回のお話は印象深いものでした。実際、今回のお話に顔を見せる都電の停留所の一つは、私の部屋からほんの5分の場所にあり、その気になればいつでもあずき達の冒険を体験することができます。今回はこの作品のベストエピソードではないかもしれませんが、勇之助の魅力が存分に発揮された、とても爽やかな仕上がりが印象的なのです。 ところで、今回のサブタイトルと予告編を見て、一体どんなお話なのか想像がついた方はあまりいないと思います。本編の冒頭で「明日があずきちゃんの誕生日」という台詞が登場するので、これは最後に勇之助からプレゼントをもらうのかなと想像はつきますが、直後から始まるだいずの忘れ物探しエピソードはそんなことをみじんも感じさせません。こちらがサイドストーリーのはずなのに、それを忘れさせる物語(と子供たち)の全力疾走ぶりが、とても心地よく感じられます。 だいずの窮状を聞いて、こういう時は行動を忠実に再現するのが一番と、勇之助は意気込みます。でも、肝心のあずきはこんな事をやっても本当に見つかるのかと、どこか不安げです。実際、都電の中ではついに手がかりが見つからず(途中の都電事務所でそれらしい包みがあり、開けてみると「野山剛造」だったというエピソードが上手い)、勇之助達はやむなく千住の祖父の家に戻って、作業を再開します。 そこで立ち寄った甘味処で、心太の食べ方一つにこだわる勇之助の熱意が、ついに奇跡を呼びます。確かに今時箸1本で心太を食べる方なんてまず見かけませんから、店のおばさんにも印象深かったのでしょう。自分の宿題に再会して涙ぐむだいずの姿が微笑ましいですね。ここであずきは勇之助の「すごさ」を改めて実感するのですが、それには続きがあるのでした。 その帰り道、まことが都電から見える遊園地(「こどもゆうえんち」とはもちろん荒川遊園のことです)に行こうと提案します。まことがそこに気を取られて車内にカメラを忘れるぐらいだからと、意外にもそれに応じる勇之助。あずきと乗った観覧車の中で夜景をバックに勇之助は「一日早いけど、誕生日おめでとう」とプレゼントを渡します。 勇之助のすごさはこんなところにも顔を出します。まことの誘いに乗る形でさりげなくロマンチックな場所にやってきて、普段通りのスタイルであずきにプレゼントを渡せる。なによりも、8月30日というあずきの誕生日をちゃんと覚えて、プレゼントを用意している。彼は本当にいい男の子だと思います。あずきが感じる幸せは、視聴者の女の子にはとても羨ましく思えたことでしょう。 今回の勇之助の活躍を支え続けた…ちゃんと観覧車の座席も考えた…まことにも拍手を。そして、心配しつつも子供たちに冒険を楽しませたあずきの両親の姿にも、注目してあげてください。 |
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