「あずきちゃん」第62話
そんな!
ライバルはだいずのカノジョ
| 脚本 | 雪室俊一 | 絵コンテ | 熊谷雅晃 |
| 演出 | 熊谷雅晃 | 作画監督 | 工藤柾輝 |
| あずき | 勇之助 | ヨーコ | ケン | まこと | だいず |
| ◎ | ◇ | ☆ | ◇ | ◇ | ◇ |
| ジダマ | かおる | トモちゃん | 多胡先生 | あずき母 | あずき父 |
| ◎ | ◇ | NA | NA | ◇ | ◇ |
| キャラ | 声優 | キャラ | 声優 |
| ☆まどか | 高田由美 | 勇之助の母 | 藤本かをる |
| 花の門マスター | (安井邦彦) | ||
| アイキャッチ | だいず | 髪飾り | 橙 |
| 学校行事 | 特になし | 教室の習字 | 海風 |
| 給食主菜 | なし | 満塁軒 | なし |
| 交換日記 | なし | ユイ | 登場せず |
| 次回予告 | ケンちゃん、家出なんてしてどうする気!? | ||
| だいずが熱を出して休んでしまった。その日の午後、だいずの同級生のまどかという女の子が見舞いにやってきた。たまたま来ていた勇之助を見たまどかは、何と彼に一目惚れしてしまい、翌日からまどかの猛烈なアタックが始まった。勇之助は、まどかの父がマスターをしている「花の門」という喫茶店に呼び出されてしまう。そこにやって来たヨーコですらまどかに体よく追い返されてしまい、すっかりまどかのペースに。しかし、まどかが勇之助の家にいくと聞いて、ヨーコはついに反撃を開始する。小笠原家の玄関で火花を散らす二人だったが、軍配はヨーコに上がった。翌朝、舞台のことを黙ってくれたお礼にまどかをやっつけたわ、と知らせるヨーコの姿に、あずきは改めて彼女の強さを感じた。 |
| 勇之助の人気は留まるところを知らないようで、ついに小学1年生の女の子(まどかちゃん)まで彼に一目惚れする始末。私の好きな人がさすがにここまでもてるとちょっと…とあずきがどこまで思っているかはともかく、本編の中でもひときわユニークなエピソードが登場します。 ここで注目していただきたいのは、あずきが意外にもさほどジェラシーに囚われていないことでしょう。確かに相変わらず優柔不断な勇之助の言動には手を焼いているのですが、一方でそれほど彼を怒ることもなく、まどかをことさら邪険にするわけでもなく、何だか今までとは少々違う雰囲気なのです。 たまたま演出の気まぐれでそう描かれているだけかもしれませんが、このお話のあずきは、彼女なりにどこか勇之助を信頼しているようなところがあって、何だか微笑ましいのです。もちろん、ライバルが小学1年生とあってはあずきとしては張り合う気にもならないという部分もあるでしょうが、それは裏を返すと自分と勇之助くんはもうそんなことを気にする間柄ではないと、彼女自身が感じるようになっていたのかもしれません。 でも、外野席は黙っていない。とりわけ全編を通じてのジダマの激昂ぶりは見ものです。恋愛なんか興味ないと言いつつも「相手が1年生となれば別よ!」とムキになるあたりが面白い。かおるちゃんも「世の中四つ違いのカップルなんていくらでもいるもの」とあずきを煽り立てます。かおるちゃんの視線の鋭さは、この頃になると一段の冴えを見せていて、見ているこちらがハラハラしてしまいます。 あずきの本来のライバルは、さらに積極的です。「花の門」での第1ラウンドは屈辱のTKO負けを食らってしまうヨーコですが、翌日にはきっちりと借りを返すところがすばらしい。それも、彼女なりに作戦を立てて、勇之助の家まで押しかけるのがすごいですね(まどかが勇之助より先に玄関に出てくることを、ヨーコは読んでいたのです)。 そして翌朝、自分がまどかを「やっつけた」事を、ごく普通にあずきに話すヨーコ。あずきが舞台の話(→前回)を黙っていたことを、ヨーコはちゃんと理解していたのです。その事もふまえて、正々堂々とライバルにエールを送るヨーコの姿は、とても爽やか、そう、本当に爽やかなのです。こうして、前回とセットでヨーコの生き様を子供の視線で描ききることで、この作品は新たな次元に進みます。その歩みの確かさが私の好みなのです。 そんなヨーコの魅力を、あずきは敏感に感じ取ります。ジダマやかおるとは少し違った視線でヨーコを見ることができるようになったあずきは、恋の階段をも一歩上ったに違いありません。 地味ですが、あずきと勇之助の母の描写が光っていましたね。コーヒー通のまことも楽しい。それにしても、だいずよ、もっと大人になろうよ。そして、肝心のまどかちゃんですが、当ページではコメントを差し控えます(笑)。 |
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