「あずきちゃん」第63話
ひどーい!
かおるちゃんは疫病神?
| 脚本 | 雪室俊一 | 絵コンテ | 高柳哲司 |
| 演出 | 則座誠 | 作画監督 | 進藤満尾 |
| あずき | 勇之助 | ヨーコ | ケン | まこと | だいず |
| ◎ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ |
| ジダマ | かおる | トモちゃん | 多胡先生 | あずき母 | あずき父 |
| ☆ | ☆ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ |
| キャラ | 声優 | キャラ | 声優 |
| 香月先生 | 篠原恵美 | ◎ケンの父 | 矢尾一樹 |
| ▲東条先輩 | |||
| アイキャッチ | ケン | 髪飾り | 橙 |
| 学校行事 | 特になし | 教室の習字 | (なし) |
| 給食主菜 | シチュー | 満塁軒 | 一同にラーメン(その他) |
| 交換日記 | なし | ユイ | 警察犬の真似 |
| 次回予告 | ヨーコちゃん、今なんて言ったの!? | ||
| ケンのチームの試合に勇之助が臨時に出場することになり、あずき達女子も試合の応援にやってきた。大活躍の勇之助に比べて、ケンは散々な結果に終わってしまい、試合後慰めに来たかおるに、ケンは「お前が疫病神だ」と八つ当たりしてしまう。さらに勇之助が野球チームにスカウトされたという話が広まり、ケンがレギュラーから落とされると勘違いしたかおるが、余計なおせっかいをしてしまい、ついにケンはかおるに絶交を言い渡す。翌日、ケンが学校にやってこないと大騒ぎになる。だいずの不審な行動に気づいたあずきの機転で、ケンは自室の押し入れで見つかった。誘われるままに草野球の試合に一日中出ていたらしい。ケンはさんざん怒られながらも、父の計らいでかおると仲直りできた。 |
| 幸か不幸か私は家出なるものをしたことがありませんが、この回のケンの行動には、なるほどな、と思う部分があります。今まで自信を持っていたもの(この場合野球)が、ここぞというときに最悪の結果を招いてしまったら、誰だって日常から逃げたくなることぐらいあるでしょう。でも、結局は小市民。ケンは日がな一日野球をやって、行き先に困ったあげく、自室の押し入れに隠れてしまいます。その後どうしようなんて全然考えていないわけで、小心者ケンの真骨頂発揮と言えるかもしれません…それがダメと言っているのではなく、ケンはどこまでいっても悪いことができない奴なのです。 でも、やっぱり悪いことは悪いこと。覚悟もなしにそんなことをするんじゃない! とケンの親父さんは言いたかったんではないでしょうか? ケンを叱り飛ばす親父さんの気持ちが痛いほど伝わるからこそ、満塁軒でのあのシークエンスは見応えがあったと思います。なお、子供同士のやり取りでは、相手に手を上げるシーンは明確に描かれますが、今回は単にSEだけで表現されています。こうした演出はNHKならではかもしれません。 そんなケンの姿を見守る子供たちの姿もよかったですね。特に、気を回しすぎてケンに絶交されてしまったかおるの心痛が細やかに描かれていて、胸がキュンとなってしまいます。ケンが心配で満塁軒の前までやって来て、せっかくケンが見つかった(笑)のに、それでも中に入る事ができない姿は、これぞかおるちゃんと言ったところでしょうか。そんなところをふまえて、全てが終わってからケンにかおるちゃんを送ってやれと命ずる親父さんの心意気が、実にすばらしい。そういえば、この頃になるとケン&かおる、勇之助&あずきのカップルは、親や教師にも半ば公認になっているようです。 今回は、その他の脇役の描写が冴えていた点も見どころです。ケンのためにあれこれ画策するだいずの姿は絶品。あずきとだいずのやり取りを育む野山家の描写も上手いですね。母親がお肌をお手入れする場面を描く作品なんて、なかなかないですよ。そこにおろおろとだいずがやって来て、途中から父も入って家族の会話になるのですが、このちょっとしたシーンがこれほど面白くなるのは、さすがです。また、こういう時には中途半端に頭が冴えるまことも楽しいですね。自分も悪事の片棒を担いでいたのに、修羅場と化した満塁軒の店内でひたすらラーメンを食べる姿は、神々しいぐらい(笑)。そして親子喧嘩の最中に「餃子をください」と来た日には(さすがのトモちゃんもゲンナリしています)…でも、結局これでケンの親父さんが手を下ろすわけです。画面をよく見れば分かるのですが、まことは彼なりになんとかしようと思っていたのです。ただ、そのピントのずれ方がやっぱり、というわけですね。あと、久々に登場の香月先生のスカーフがなかなかお似合いなのも、今回のポイントでしょうか。 |
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