「あずきちゃん」第74話
ときめき!
海と雪のクリスマス
| 脚本 | 雪室俊一 | 絵コンテ | 神田直人 |
| 演出 | 神田直人 | 作画監督 | 渡辺和夫 |
| あずき | 勇之助 | ヨーコ | ケン | まこと | だいず |
| ☆ | ☆ | ◎ | ◇ | ◇ | ◇ |
| ジダマ | かおる | トモちゃん | 多胡先生 | あずき母 | あずき父 |
| ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ |
| キャラ | 声優 | キャラ | 声優 |
| 香月先生 | 篠原恵美 | 勇之助の母 | 藤本かをる |
| 勇之助の父 | 梅津秀行 | △藤巻拓 | |
| アイキャッチ | ケン | 髪飾り | 緑・橙・ピンク |
| 学校行事 | 特になし | 教室の習字 | 清潔 |
| 給食主菜 | なし | 満塁軒 | なし |
| 交換日記 | なし | ユイ | ３人で散歩 |
| 次回予告 | 勇之助君と、一緒に行けたらなぁ… | ||
| もうすぐクリスマス。あずきは勇之助からクリスマスのお誘いを待っていが、アメリカから父が帰ってくると聞いて、せっかくの家族団らんに私が入るわけには、とあきらめムード。ところが勇之助から、クリスマスイブに家族でクルーザーパーティーに参加するので、あずきも来ないか? と誘われ、あずきはびっくり。当日、二人が桟橋に着いても、乗る船が見つからない。ようやく見つけた豪華客船に乗り込んだ二人だが、雰囲気に戸惑ってしまう。そんな二人の姿を見つけたヨーコは大はしゃぎで勇之助に近づき、いたたまれなくなったあずきは、船を飛び出してしまう。やがて勇之助も船を降り、二人は桟橋に取り残された。そこに勇之助の母が駆けつけてくる。二人は乗る船を間違えていたのだ。 |
| 実は、私自身は今回のお話がちょっと苦手なのです。すばらしいエピソードなのですが、あずきの心の痛みがあまりにもリアルすぎるのです…「いたたまれない」とはまさにこのこと。小学５年生の女の子にこんな経験させるなんて、ちょっとかわいそうだな、なんて思わせてくれるほど、この作品にぞっこんになっていた放送当時の私を、DVDを観ながら思い出していました。 さて、1年前(38話)と同じクリスマスエピソードが登場するのですが、今回はずいぶん様子が違います。1990年代半ばに船上クリスマスパーティーに参加することがどんなステイタスだったか、ここでこまごま説明するのは控えますが、あずきが勇之助のお誘いを受けたと聞いて驚くあずきの母の気持ちには、同じ小市民として共感を覚えます。それでも勇之助くんといっしょに過ごせるという一心で、当日勇気を奮ってゆりかもめに乗車したあずきですが、周囲の華やいだ雰囲気に一抹の不安を感じます。 その不安が次々に的中してゆく「あけぼの」船内の出来事は、観ているこちらが「見てられない」! この絶妙なタイミングで登場するヨーコの振る舞いが、あずきをどんどん追いつめていく様子が、あぁ神様なんとかしてあげて!! …もっとも、ヨーコにしてみれば、こんな場所で憧れの(おしゃれな)勇之助に会えたのが嬉しくて仕方がないわけで、あずきに対しては何の悪気もないわけです。だからこそあずきの心の痛みがより際立つ、というこの憎らしいまでの演出の冴えが、今回のポイントでしょう。 だけど、勇之助もやっぱりあの雰囲気は苦手で、何よりあずきの姿が見えないのが心配で、結局二人は「あけぼの」を見送る羽目になります。沈んだ会話をする二人は、ちょっぴり大人の世界に背伸びしすぎた、と悔やんでいたのかもしれません。と、そこに勇之助の母が登場して、事態は急転直下します。ちっちゃな「あけぼの丸」に驚く二人ですが、母が言うとおり、これだって立派なクルーザーです。そしてパーティー仲間の気さくな雰囲気が、勇之助一家の恵まれた環境を表現しています。あずきもその一端に触れて、貴重な経験ができました。 にぎやかな甲板から少し離れ、勇之助はあずきにプレゼントを見せてくれます。それは北海道に行ってしまったタクちゃんがクラスに送ってくれたパウダースノー。こんなロマンチックな一面が勇之助にあったのか、と驚くとともに、たぶん勇之助は拓の密かな思いにそれとなく気づいて、こういう形でそれを昇華させたのでは、と思います。いやぁ、勇之助も男ですなぁ。 今回、サブキャラは出番が少なかったのですが、「ダンスを踊る」というだけでここまで盛り上がってくれるとは思っていませんでした。どんなことでも香月先生に結びつけるまこと達もすごいのですが、「ダンスが踊れない夫婦なんていくらでもいる!」と息巻くあずき父が、今回のもう一つの見どころでしょう。 |
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