• 任務名称…バルチカンでの遭遇戦
• 任務種別…偵察遭遇戦
• 作戦空間…バルチカン市周辺(ベルウィック星)
• 評価…ケイト達はバルチカンでクレークを捜索中、ククト軍と遭遇。地球軍残存部隊に助けられる。

地球連邦宇宙軍

●ベルウィック星守備隊
・ディルファム×3

ククト第三軍

●ベルウィック星制圧部隊(詳細不明)
・XU-23a×1
・ジャーゴ×2

子供たち

●小銃×3(ロディ、バーツ、ケイト)

地球連邦宇宙軍

●ベルウィック星守備隊
撃破:ジャーゴ×1

ククト第三軍

●ベルウィック星制圧部隊(詳細不明)
喪失:ジャーゴ×1

子供たち

・ロディ(1-0-0)…なし
・バーツ(2-1-1)…なし
・ケイト(1-0-0)…なし

• ケンツ軍曹…やっぱりクレーク博士は死んじゃったんだ。それに、地球軍の兵隊さんがそんなひどいことを言うなんて…。バーツさん、嘘だろう!
• バーツ…敵の姿を見たのは初めてだった。俺たちと同じ人間の形をしていた。あれが敵なのか。そして地球軍も同じ人間さ。だけど、だけど…。
• ロディ…敵に追いかけられるのがあんなに怖いとは思わなかった。確かに地球軍に助けてもらったけど、そんなんじゃないんだ。
• ケイト…(おそらく帰りは一言も口を利かなかったことでしょう)

普通の子供たちが戦闘に遭遇するときは、きっとこんな風になるんだろう、というリアリティが、このエピソードの描写には見られます。それが辛いのですが、同時にこの作品の真価を示してくれます。
敵の追撃を受け、ケイト達はばらばらに逃げることにしますが、戦闘能力に圧倒的な違いがあるときには、少しでも敵の戦力を分散させることと、友軍の一部でも助かる可能性を高めるために、この戦術は有効です。結果的に彼らの戦術は功を奏し、分散したククト軍は地球正規軍によって各個撃破されました。
その正規軍兵士がバーツと会話する場面は、悲しいけどこの作品屈指の名シーンでしょう。そこで兵士の放った言葉は、バーツ達にとっては絶望的な内容でした。でも、あの兵士にそれ以上何が言えたでしょう。確かにあの台詞には人としての優しさはみじんも感じられません。でも、戦場においては、無責任なうわべだけの優しさを示してもなんの意味もないということは、あの兵士自身が身をもって感じていたはずです。彼はプロの兵士として、それを実践したに過ぎません。
そういう当たり前のことを、妙に芝居がかった演出にせず、ごく普通の戦場の出来事として描ききったところに、この作品の鋭い視点を感じることができます。
その後、ケイト達はクレークが乗っていた輸送機の残骸を調べる地球軍に、「それでも助けてほしい」と声をかけることができません。これこそ戦場における市民の立場であり、神田監督はこの事実を正面から描ききりました。戦争は、常にもっとも弱い立場の者にもっとも過酷な運命を与えるのです。