• 任務名称…子供たちの宇宙空間初戦闘
• 任務種別…迎撃出撃
• 作戦空間…ベルウィック星から巨大惑星に向かう遷移軌道上
• 評価…RVでの射撃訓練中に敵が来襲。子供たちは組織的戦闘を行えず、混乱しながらも辛うじて勝利。

子供たち(地球軍練習艦ジェイナス)

ククト第三軍

●主戦力
・ルザルガ×2
・ルザルガ母艦×1(直接戦闘に関与せず)

子供たち

●損害
・バーツ:ネオファム中破
・シャロン(2-0-0):ジェイナス砲座中破

ククト第三軍

●損害
・ルザルガ×2全損

• ケンツ軍曹…オレ様の砲撃見てくれた? カッコよかっただろ? でも、あの砲座絶対照準がずれてるぜ。今度時間があるときちゃんと整備しておこう。なんてったって武器の管理係はオレ様の仕事だからな、ハハハ……本当は、笑うどころじゃなかったんだよなぁ。バーツさんとの交信が途絶えたときは、本当にぞっとしたけど。まぁ、地球軍兵器の優秀さが、今回改めて証明されたんだ。
• バーツ…あれが宇宙での戦闘なんだ。スコットは撃つなと言っていたけど、そんな事していたらオレたち全員敵の餌食だった。でも、アイツのいう事も一理あるから、やっこさんを悪くは思っちゃいないぜ。それに、とにかく最初に一発ぶちかまして、敵さんに撃たれちまったのは確かだしな。みんなには心配かけて悪かったと思ってるよ。
• ロディ…まさかこんなに早く実戦を迎えるなんて思ってもみなかった。たまたま直前まで射撃訓練をやっていてよかったよ。無重力の空間でどう振る舞えばいいか、全然分からなかったけど、それでも何とかなったのは、ケンツが言うとおり地球軍の兵器が優秀だったのかもしれない。でも、バーツが無事で、本当によかった。この次はもっと落ち着いて敵に向かわないといけない。
• マキ…せっかくパペットファイターに乗り込めたんだから、このまま行っちゃおうって思ってさ、思いきって出てみたんだ。みんなの交信がアタイのヘルメットから聞こえてきて、何かしなくちゃって思って、後は夢中だったわ。
  
• シャロン…オレの目の前で敵のメカが爆発するんだから、もうびっくりしたよー。マキが無線でオレの名前を呼び続けてくれているのに気づいて、ちょっと嬉しかったな。
• フレッド…無茶しないでよ、兄さん!
• スコット…僕は何もできなかったんだ。何も…。この次敵が襲ってくれば、どうすればいいんだろう…。
• ケイト…敵は私達が民間人だとは、ついに信じてくれなかった。今回戦闘を起こしてしまったから、もう私達は民間人とみなされることはないと思う。あぁ、どうすればいいの…? でも、子供たちの前でこんな顔は見せられないし。クレーク博士、私はどうすればいいのでしょう。

ロディたちがスコットの指示を無視して、RVでの射撃訓練をしている最中に、敵のARVが襲ってきて、子供たちは否応なく戦闘に巻き込まれてしまいます。前回ラストシーンでの希望にあふれた子供たちが、一変して戦争という厳しい現実に向きあわされるという、いかにも「バイファム」らしいエピソードと言えるでしょう。
さて、今回の戦闘は、スコットのコメントにあるとおり、子供たちの間にほとんど統一した戦闘行動が行われませんでした(唯一、ジェイナスの砲座に関してはスコットから具体的な指示が出されています)。スコットが戦闘指揮官として働けるようになるには、(考えたくもないですが)まだ実戦の経験が足らないのです。それでも子供たちが勝利を収めたのは、結果として兵器の性能(というか操作性の高さ)に負うところが大きいと思います。あと、マキの超人的な活躍がなければ、事態はもっと深刻になっていたかもしれません。このパペットファイターという独特の兵装は、今後も様々な場面で活躍を見せることになります。
さて、今回のもう一つのポイントであるケイトの動きですが、皆さんはどうお感じでしょうか? バーツたちが「こうなったら戦うしかない!」と決意を固めるなか、最後まで民間人として敵との対話を求めようとするケイトの姿は、理想を追いすぎ、あるいは現実を見ていないと非難されてもやむを得ないかもしれません。
でも、最後の瞬間まで戦闘を回避しようと努力するケイトの姿は、とても大切なことを私達に訴えているのではないかと思うのです。まず相手と話をすることが大切だという、平和のためのもっとも基本的かつ難しいことを、戦場のど真ん中でやってのけたケイトの勇気を、私は賛えます。