今回の戦闘で、子供たちは事実上初めて自ら攻撃を仕掛ける側に回りました。他の事項に紛れてしまっているため、ちょっと分かりにくい面もありますが、子供たち(というかロディとバーツ)は敵の巨大な戦力を前にして、撤退せざるを得ませんでした。言い換えると、彼らは作戦的敗北を喫したのです。 でも、この作品にとってそんなことは重要ではありません。子供たちにとっては、まず生き延びることが大切。ロディとバーツを無事帰還させるために、絶妙のタイミングで掩護射撃とVRC発射を命じた、スコットの名指揮官ぶりが、実は今回の戦闘の最大の見どころかもしれません。そして、これはもちろん次回への伏線になるのです。 なお、VRCという無人偵察モジュールは、今でこそ実在の軍隊(もちろん地上軍)で様々な形で実用化されていますが、番組放送当時はまだ空想の産物にしか過ぎませんでした。今回は、発射された方向の幸運も手伝い、敵の目を引きつけるだけでなく、敵の中継基地を発見するという大きな成果を得ました。 これが地球での戦闘なら、中継基地を迂回することもできるでしょう。でも、宇宙空間での大きな宇宙船の進路変更は極めて困難であり、敵と接触すると分かった以上は、是が非でも戦闘で勝利しなければいけません。まだ15歳のスコットに課せられた責任は、あまりにも重いものでした。 |
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