| 話を戻します。メインキャラクター10人以外のサブキャラクターは、原作では実にあっさりと描かれます。未夢に一目ぼれするももかの兄なんかは、華々しく登場したわりには、5巻以降全く活躍することなく終わってしまいます。三太にせよ、ななみと綾のコンビにせよ、一時的に場を盛り上げることはあっても、物語の本筋に絡むことはありません。また、彼らがどういう学校生活を送っているのか、原作ではほとんど語られることがありません。 彼らのうち、ななみ・綾・三太の3名はアニメ版でも登場します。いや、登場しまくっているというのが正しいでしょう。コミックでは1巻につき1話登場するかどうかだった彼らですが、アニメになるとほぼ毎回登場し、未夢たちと楽しい物語を紡いでくれます。 これは、アニメ版が未夢と彷徨の恋愛物語に加えて「絆」を作品に織り込んだことによるものです。友達というキーワードを生かしたお芝居をするために、アニメ版はななみたち3名を大抜擢したのです。なお、コミックでは9巻になって唐突に「友達」というキーワードがクローズアップされるため、ちょっと物語が浮いたように感じられる部分があります。 ところで、だぁ!×３のメインキャラクターはどいつもこいつも味が濃い(笑)。確かに未夢こそやや普通に感じられますが、それはクリスや未夢の母があまりにも爆発しすぎのせいであって、彼女の自我そのものは、並みの中学生よりははるかにはっきりしています(ただし、あくまで彼女は普通の感受性を持っています…だって、典型的恋愛少女漫画の主人公なんですから)。では、サブキャラクターはそれに対抗して一段と濃さがパワーアップ…しているかというと、実は必ずしもそうではないところが、この作品のバランス感覚の優れたところでしょう。 |
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