私はNHK-BSを受信していないので、そこで放映されているアニメーションは基本的に見ることがありません。…いや、正確に言うと、ETVで遅れて放送される場合のみ、それを見る機会に恵まれます。この「さくら」も、私はそうして1年遅れで鑑賞することになりました。
この作品の前には「あずきちゃん」というアニメが同じ時間帯で放送されていました(ちなみに、これもNHK-BSからETVに進出してきた作品です)。女子小学生を対象とする、という項目以外ほとんど目指す方向が異なるこの二つの作品を共に見ていたという年長者(あるいは大人)のアニメファン(もしくはマニア)の方は、おそらくほとんどおられないのではないでしょうか。…え、それがこの作品とどんな意味があるのかって？
もちろん、そこに意味なんてものはありません。ただ、私にとっては、｢あずきちゃん｣を見たからこそ「さくら」を楽しめたことも事実なのです。前者には一見無くて、後者には確信犯的に仕組まれていたもの＝「普通じゃないこと」がどう描かれたのか。そしてその中で「普通のこと」がどう演じられ、それを見る側がどう楽しめるのか。ETVでの放映が終了した今振り返ってみると、私の興味はその一点に集中していたのかもしれません。 |
