「バイファム」という作品を特徴づける演出の一つとして、食事シーンの多さを挙げることがよくあります。実際、子供たちはよく食べました。育ち盛りだから、という当たり前(だけど、この事を前面に出したアニメって意外と少ないとは思いませんか?)の理由はともかく、私達視聴者にとって、それはとても身近に感じるイベントだったことはいうまでもありません。あの子供たちを普通に演じさせるさりげない、だけど大切な仕掛けだったのです。 各々の食事シーンは、その動作の描写もさることながら、子供たちの置かれた状況によって微妙にその内容が変化していたことにも、スタッフの情熱が感じられます(演出・作画スタッフの御苦労には本当に頭が下がります)。視点を変えると、その回の食事の内容で、彼らの周囲の状況が何となく推測できてしまいます。…これは、当時としてはなかなかすごいことじゃないだろうか?? というわけで、この作品を「食事」という一点で切り取るとどうなるか、というのがこのコーナーの趣旨です。果たして何か価値ある内容があればいいのですが、一体全体どうなるやら…。ただ、単に献立だけをずらずら並べても芸がないので、せっかくの機会ですから、その食事の関係者にも何か一言話してもらいましょう。「みんな、頼んだよ!」「えー、そんなの面倒くさいよ!」 各ページとも、コラム左側がその回の献立と食事シーンの解説(必要に応じて)、左側に関係者の証言を掲載しています。献立の内容は、LD-BOX収録の画像から判別できる範囲で正確を期していますが、「これは違う」というお心当たりがあれば、ぜひご連絡下さい。 なお、便宜上このコーナーも作品全体を「133文字で語るものがたり」と同様の形で区分しますが、必ずしも全話に食事シーンが登場しないこともあり、一部集約してあります。 |